質量保存の法則
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 1 分野 (4) 化学変化と原子・分子 ア (ウ)「化学変化と物質の質量」㋐。
0. どういう論点か
化学変化の前後で、全体の質量は変わりません。
理由は 原子と分子 で見た 3 つめの性質そのものです——
原子は無くならず、新しくもできず、別の種類にも変わらない。
変わるのは組み合わせだけなので、数も種類も同じ、したがって質量も同じです。
入試で問われるのは、ほとんどが「変わったように見える」場合の説明です。
| 見かけ | 実際に起きていること |
|---|---|
| 気体が発生して軽くなった | 気体が容器の外へ出ていった |
| 金属を燃やして重くなった | 空気中の酸素が結び付いた |
密閉した容器の中でやれば、どちらの場合も質量は変わりません。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 軽くなるのは、ふたを開けたとき(密閉したままなら変わらない)
- 金属が重くなるのは、酸素が加わったから(金属が増えたのではない)
- 状態変化でも質量は変わらない(保存されるのは化学変化に限らない)
1. 質量保存の法則
根拠: 学習指導要領 1-(4)-ウ-㋐
質量保存の法則とは?
化学変化の前後で、物質全体の質量は変わらない
質量が保存されるのはなぜか?
化学変化では原子の組み合わせが変わるだけで、原子の種類と数は変わらないから
原子は無くならず、新しくもできず、別の種類にも変わらない。
質量保存の法則は、化学変化のときだけ成り立つか?
状態変化でも成り立つ
氷が水になっても水蒸気になっても、質量は変わらない。
2. 気体が発生する反応
根拠: 学習指導要領 1-(4)-ウ-㋐
密閉した容器の中で炭酸水素ナトリウムとうすい塩酸を反応させると、質量はどうなるか?
変わらない
二酸化炭素が発生するが、容器の外へ出ていかないため。
上の実験のあと、容器のふたを開けてから質量をはかるとどうなるか?
軽くなる
発生した二酸化炭素が空気中へ出ていくため。
出ていった気体のぶんだけ減る。
ふたを開けても質量が変わらないのは、どんな反応のときか?
気体が出入りしない反応のとき
例: 塩化ナトリウム水溶液と硝酸銀水溶液を混ぜて沈殿ができる反応。
3. 金属を加熱する反応
根拠: 学習指導要領 1-(4)-ウ-㋐
銅を空気中で加熱すると、質量はどうなるか。なぜか?
増える。空気中の酸素と結び付いたから
増えた分が、結び付いた酸素の質量にあたる。
銅 4.0 g を加熱したら 5.0 g の酸化銅ができた。結び付いた酸素は何 g か?
1.0 g
5.0 − 4.0 = 1.0。質量保存の法則から、増えた分が加わった酸素。
密閉した容器の中でスチールウール(鉄)を燃やすと、容器全体の質量はどうなるか?
変わらない
容器の中の酸素と結び付いただけで、容器の外との出入りが無いため。
上の実験のあと、容器のふたを開けるとどうなるか?
空気が入り込むので、質量は増える
燃焼で容器内の酸素が減って気圧が下がっているため。
気体が出ていく場合とは向きが逆になる。