関数と変数
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 1 学年 C 関数 (1) 比例,反比例 ア (ア)「関数関係の意味を理解すること」。
0. 何を押さえるか
ともなって変わる 2 つの数量 、 があって、 の値を決めると、それに対応して の値がただ 1 つに決まるとき、
「 は の関数である」といいます。
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 関数 | を決めると がただ 1 つに決まる関係 | 1 辺 cm の正方形の周の長さ cm |
| 変数 | いろいろな値をとる文字 | 上の と |
| 変域 | 変数のとりうる値の範囲 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 「ただ 1 つに決まる」が要( を決めても が 2 つ以上ありうるなら、関数ではない)
- 「 は の関数」と「 は の関数」は別のこと(片方だけが成り立つことがある)
- 変域の不等号は、端の値を含むなら 、含まないなら
1. 関数の意味
根拠: 学習指導要領 中1-C-(1)-ア-(ア)
式で表せなくても、 を決めれば がただ 1 つに決まるなら関数です。
逆に、式が書けそうに見えても、 が決まらなければ関数ではありません。
「 は の関数である」とは、どういうことか?
の値を決めると、それに対応して の値がただ 1 つに決まること
が 2 つ以上ありうる、または 1 つも決まらないなら、関数ではない。
「身長 cm の人の体重 kg」で、 は の関数か?
関数ではない
同じ身長でも体重はいろいろなので、 を決めても がただ 1 つに決まらない。
「自然数 の約数 」で、 は の関数か?
関数ではない
たとえば なら、約数は 1、2、3、6 の 4 つあり、ただ 1 つに決まらない。
「 の絶対値が 」のとき、 は の関数か。また、 は の関数か。
は の関数である。 は の関数ではない
を決めれば絶対値はただ 1 つ。だが のとき は と の 2 つある。
「 円持っていて 150 円使ったときの残り 円」で、 は の関数か?
関数である
で、 を決めれば はただ 1 つに決まる。比例・反比例でなくても関数になる。
ある関係が関数かどうかは、式で表せるかどうかで決まるか?
決まらない。 を決めれば がただ 1 つに決まるかで決まる
「自然数 を 3 でわった余り 」のように、ふつうの式で書きにくくても関数になる。
2. 変数と変域
根拠: 学習指導要領 中1-C-(1)-ア-(ア)
や のように、いろいろな値をとる文字を変数といいます。
変数のとりうる値の範囲を変域といい、不等号を使って表します。
変数とは何か?
いろいろな値をとる文字
関数の 、 は変数。これに対して、決まった値を表す文字(比例定数 など)は変数ではない。
変域とは何か?
変数のとりうる値の範囲
不等号を使って のように表す。
「 は 2 以上 7 未満」を、不等号で表すと?
以上・以下は (端を含む)、未満・より大きいは (端を含まない)。
変域を不等号で書くとき、数を並べる向きの決まりは?
小さい数を左、大きい数を右に書き、 をその間に置く
のように書く。 とは書かない。
練習問題
問 1 次のうち、 が の関数であるものをすべて選べ。
(ア)1 本 80 円の鉛筆を 本買ったときの代金 円
(イ)年齢が 歳の人の身長 cm
(ウ)周の長さが cm の長方形の面積 cm²
(エ) km の道のりを時速 km で進むときにかかる時間 時間
(ア)1 本 80 円の鉛筆を 本買ったときの代金 円
(イ)年齢が 歳の人の身長 cm
(ウ)周の長さが cm の長方形の面積 cm²
(エ) km の道のりを時速 km で進むときにかかる時間 時間
(ア)と(エ)
方針 関数かどうかは、「 を決めたら がただ 1 つに決まるか」で決まる。4 つを 1 つずつ確かめる。決まらないことを言うには、同じ で が 2 通りになる例を 1 つ挙げればよい。
- (ア)代金は「1 本の値段 × 本数」なので 。本数を決めれば代金は 1 つに決まる。関数である。
- (イ)同じ年齢でも、身長は人によってちがう。 を決めても は 1 つに決まらない。関数ではない。
- (ウ)周が 12 cm の長方形で考える。縦 1 cm・横 5 cm なら面積は (cm²)、縦 3 cm・横 3 cm なら (cm²)。周が同じでも面積が 2 通りあるので、関数ではない。
- (エ)時間は「道のり ÷ 速さ」なので 。速さを決めれば時間は 1 つに決まる。関数である。
- よって、関数であるのは(ア)と(エ)。
ここで間違えやすい (エ)のように、 が増えると が減る関係でも関数になる。式の形ではなく、ただ 1 つに決まるかどうかを見る。
問 2 の変域が「 以上 以下」であることを、不等号を使って表せ。
方針 「以上」「以下」は、その数をふくむので、不等号は を使う。小さい数を左、大きい数を右に書き、 をその間に置く。
- 「 以上」は、 が と等しいか、 より大きいこと。式で書くと
- 「 以下」は、 が と等しいか、 より小さいこと。式で書くと
- 2 つを 1 つにまとめて、
ここで間違えやすい 「未満」「より大きい」のときは、その数をふくまないので を使う。言葉をよく見て不等号を選ぶ。
問 3 の変域が のとき、 がとる整数の値をすべて答えよ。
方針 不等号の種類を見て、両はしの数が入るかどうかを先に決める。そのあと、間にある整数を小さい順に書き出す。
- 左はしを見る。 は「 は より大きい」という意味。 は含まない。
- 右はしを見る。 は「 は 以下」という意味。 は含む。
- より大きい整数のうち、いちばん小さいのは 。
- から までの整数を書き出すと、
ここで間違えやすい も整数なので、書き落とさない。 を入れてしまうのもよくある誤り。
問 4 容積 60 L の空の水そうに、毎分 4 L ずつ水を入れる。水を入れ始めてから 分後の水の量を L とする。水そうがいっぱいになるまでについて、 の変域と の変域を不等号で表せ。
、
方針 変域は、始まりと終わりの値で決まる。始まりは水を入れ始めたとき、終わりは水そうがいっぱいになったとき。いっぱいになるまでに何分かかるかを先に求める。
- 始まりを考える。入れ始めは で、水そうは空なので 。
- 終わりを考える。毎分 4 L ずつ入れて 60 L になるまでの時間は、(分)
- だから終わりは で、そのとき水の量は 。
- は 0 から 15 までの値をとるので、
- は 0 から 60 までの値をとるので、
ここで間違えやすい 入れ始めの 0 分と、いっぱいになった 15 分も含むので、不等号は を使う。