扇形と立体の表面積・体積
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 1 学年 B 図形 (2) 空間図形 ア (イ)「扇形の弧の長さと面積,基本的な柱体や錐体,球の表面積と体積を求めること」。
0. 何を押さえるか
円周率は、中学からは文字 π(パイ)で表します。π は 3.14159… と限りなく続く数で、3.14 は近い値にすぎません。
答えは π を使ったまま( のように)書きます。
扇形は円の一部なので、円の弧の長さ・面積に「中心角 ÷ 360」を掛ければ求まります。
立体は、柱体と錐体と球の 3 つを押さえれば足ります。
| 求めるもの | 式(半径 、中心角 °、弧の長さ 、底面積 、高さ ) |
|---|---|
| 扇形の弧の長さ | |
| 扇形の面積 | 、または |
| 柱体の体積 | |
| 錐体の体積 | |
| 球の表面積 | |
| 球の体積 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 錐体の体積は、同じ底面・同じ高さの柱体の ( を忘れる)
- 表面積は、側面積と底面積の和(柱体は底面が 2 つ、錐体は 1 つ)
- 円錐の側面の扇形の半径は母線で、底面の半径ではない
1. 円周率・弧・弦
根拠: 学習指導要領 中1-B-(2)-ア-(イ)
円周上の 2 点 A、B で分けられた円周の一部を弧 AB(記号で )、A と B を結ぶ線分を弦 AB といいます。
2 つの半径と弧で囲まれた図形が扇形で、2 つの半径がつくる角を中心角といいます。
π(パイ)は何を表すか?
円周率(円周 ÷ 直径)
3.14159… と限りなく続く数。答えは π のまま書く。
弧と弦の違いは?
弧は円周の一部(曲線)、弦は円周上の 2 点を結ぶ線分
弧 AB を と書く。いちばん長い弦は直径。
半径 の円の円周と面積の式は?
円周 、面積
小学校の「直径 × 3.14」「半径 × 半径 × 3.14」を、π を使って書いたもの。
2. 扇形の弧の長さと面積
根拠: 学習指導要領 中1-B-(2)-ア-(イ)
1 つの円では、扇形の弧の長さも面積も中心角に比例します。
半径 、中心角 ° の扇形の弧の長さの式は?
円周の 倍。弧の長さは中心角に比例する。
半径 、中心角 ° の扇形の面積の式は?
円の面積の 倍。
中心角が分からないとき、半径 と弧の長さ から扇形の面積を求める式は?
扇形を細かく切って並べると、底辺 、高さ の三角形のように見なせる。
3. 柱体・錐体の体積と表面積
根拠: 学習指導要領 中1-B-(2)-ア-(イ)
角柱と円柱をまとめて柱体、角錐と円錐をまとめて錐体といいます。
表面積は、展開図の面積の合計で、側面積+底面積です。
柱体の体積の式は?(底面積 、高さ )
円柱なら なので 。
錐体の体積の式は?(底面積 、高さ )
底面と高さが同じ柱体の体積の 。円錐なら 。
円柱の表面積は、どの面の和か?
側面積(長方形)+底面積 × 2
側面の長方形は、縦が高さ、横が底面の円周 。
円錐の展開図で、側面の扇形の中心角はどう求めるか?(母線 、底面の半径 )
扇形の弧の長さ(半径 )と底面の円周(半径 )が等しいので、。
円錐の側面積を、母線 と底面の半径 で表すと?
側面は半径 、弧の長さ の扇形なので、。
4. 球の表面積と体積
根拠: 学習指導要領 中1-B-(2)-ア-(イ)
半径 の球の表面積の式は?
同じ半径の円の面積のちょうど 4 倍。
半径 の球の体積の式は?
球がちょうど入る円柱(底面の半径 、高さ )の体積 の 。
練習問題
問 1 半径 6 cm、中心角 120° の扇形の弧の長さと面積を求めよ。
弧の長さ cm、面積 cm²
方針 扇形は円の一部なので、円周と円の面積に「中心角 ÷ 360」を掛ければ求まる。先に、この扇形が円全体のどれだけにあたるかを出しておく。
- 中心角は 120° なので、円全体に対する割合は
- 弧の長さの式に、半径 6 と中心角 120 を入れる。
- 計算する。円周は で、その だから (cm)
- 面積の式に、半径 6 と中心角 120 を入れる。
- 計算する。円の面積は で、その だから (cm²)
面積は を使っても で同じになる。
ここで間違えやすい 弧の長さは半径をそのまま使い、面積は半径を 2 乗する。 は で、 ではない。
問 2 底面の半径が 3 cm、高さが 4 cm の円錐の体積を求めよ。
cm³
方針 円錐は錐体なので、体積は「底面積 × 高さ」の 。底面は半径 3 cm の円だから、まず底面積を出す。
- 底面積を求める。(cm²)
- 錐体の体積の式に、底面積 と高さ 4 を入れる。
- 計算する。 で、その だから (cm³)
ここで間違えやすい を忘れると になる。これは同じ底面・同じ高さの円柱の体積。
問 3 母線の長さが 10 cm、底面の半径が 4 cm の円錐がある。展開図の側面の扇形の中心角と、円錐の表面積を求めよ。
中心角 144°、表面積 cm²
方針 展開図にすると、側面は扇形、底面は円になる。側面の扇形の弧は、底面の円のまわりにぴったり巻きつくので、弧の長さと底面の円周は等しい。ここから中心角を出す。表面積は、側面積と底面積(1 つ)を足す。
- 底面の円周を求める。(cm)。これが扇形の弧の長さ。
- 扇形の半径は母線の 10 cm。半径 10 cm の円の円周は (cm)
- 弧の長さ は、円周 の にあたる。
- 中心角も 360° の だから、(°)
- 側面積を求める。半径 10 cm の円の面積は で、その だから (cm²)
- 底面積を求める。(cm²)
- 表面積は側面積と底面積の和なので、(cm²)
側面積は、 母線 底面の半径 でも と確かめられる。
ここで間違えやすい 側面の扇形の半径は母線の 10 cm で、底面の半径の 4 cm ではない。また、円錐の底面は 1 つだけ。
問 4 底面の半径が 2 cm、高さが 5 cm の円柱の体積と表面積を求めよ。
体積 cm³、表面積 cm²
方針 体積は「底面積 × 高さ」。表面積は展開図で考える。側面は長方形(縦が高さ、横が底面の円周)で、底面は円が 2 つある。
- 底面積を求める。(cm²)
- 体積は底面積に高さ 5 を掛けて、(cm³)
- 側面の長方形の横は、底面の円周と同じ長さ。(cm)
- 側面積は「縦 × 横」なので、(cm²)
- 底面は 2 つあるので、底面積の合計は (cm²)
- 表面積は側面積と底面積の和なので、(cm²)
ここで間違えやすい 柱体の底面は上と下の 2 つ。1 つ分しか足さないと になってしまう。
問 5 半径 3 cm の球の表面積と体積を求めよ。
表面積 cm²、体積 cm³
方針 球は半径だけで大きさが決まる。表面積の式 と体積の式 に、半径 3 を入れる。表面積は 2 乗、体積は 3 乗を使う。
- 表面積の式に半径 3 を入れる。
- なので、(cm²)
- 体積の式に半径 3 を入れる。
- で、 なので、体積は (cm³)
ここで間違えやすい 表面積と体積の数が同じになるのは、半径が 3 cm のときだけ。単位は cm² と cm³ でちがう。
問 6 底面が 1 辺 6 cm の正方形で、高さが 5 cm の正四角錐の体積を求めよ。
60 cm³
方針 正四角錐は錐体なので、体積は「底面積 × 高さ」の 。底面は 1 辺 6 cm の正方形だから、まず底面積を出す。
- 底面積を求める。(cm²)
- 錐体の体積の式に、底面積 36 と高さ 5 を入れる。
- 計算する。 で、その だから (cm³)
ここで間違えやすい を忘れると 180 cm³ になる。これは同じ底面・同じ高さの四角柱の体積。