関数 y=ax²
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 3 学年 C 関数 (1) 関数 y=ax² ア (ア)「関数 y=ax² について理解すること」と
(イ)「事象の中には関数 y=ax² として捉えられるものがあることを知ること」。
0. 何を押さえるか
()で表されるとき、 は の 2 乗に比例するといいます。 は比例定数です。
一次関数と違って、変化の割合は一定になりません。グラフは直線ではなく、放物線という曲線です。
| 一次関数 | 関数 | |
|---|---|---|
| が 2 倍になると | 決まった倍にはならない(比例なら 2 倍) | は 4 倍 |
| 変化の割合 | 一定() | 一定ではない |
| グラフ | 直線 | 原点を頂点とする放物線 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- が 倍なら は 倍( 倍ではない)
- の変域が 0 をまたぐと、 の最小値( のとき)は 0。変域の両端を代入するだけでは求まらない
- 比例定数 と変化の割合は別物。変化の割合は で、区間によって変わる
1. 2 乗に比例する関数
根拠: 学習指導要領 中3-C-(1)-ア-(ア)
と の関係が で表されるとき、 の値はいつも で一定です。
式を求めるときは、 に 1 組の 、 の値を代入して を求めます。
「 は の 2 乗に比例する」とき、 を の式で表すと?
( は比例定数、)
のとき で一定。
関数 で、 の値が 倍になると の値は何倍になるか?
倍
が 3 倍なら は 9 倍。比例( 倍)と取り違えない。
2. グラフ(放物線)
根拠: 学習指導要領 中3-C-(1)-ア-(ア)
のグラフは、原点を通り、 軸について対称な曲線です。この曲線を放物線といい、
対称の軸を放物線の軸、軸と放物線の交点を頂点といいます。
関数 のグラフの特徴を 3 つ挙げよ。
原点を通る・ 軸について対称・放物線(なめらかな曲線)
頂点は原点、軸は 軸。
のグラフで、 と ではそれぞれどうなるか?
なら上に開き( 軸の上側)、 なら下に開く( 軸の下側)
のとき は 0 以上、 のとき は 0 以下。
で、 の絶対値が大きくなると、グラフの開き方はどうなるか?
開き方が小さくなる( 軸に近づく、細くなる)
同じ に対する の絶対値が大きくなるから。
と のグラフは、どんな位置関係にあるか?
軸について対称
同じ に対する の値の符号だけが反対になる。
3. 変域
根拠: 学習指導要領 中3-C-(1)-ア-(ア)
の変域は、グラフをかいて読み取ります。放物線は頂点(原点)で向きが変わるので、
の変域が 0 をまたぐかどうかで求め方が変わります。
()で、 の変域が 0 をふくむとき、 の最小値は?
0( のとき)
両端を代入した値だけを見ると誤る(、 なら両端は と だが、最小値は )。最大値は、両端のうち絶対値の大きい方の で決まる。
()で、 の変域が 0 をふくむとき、 の最大値は?
0( のとき)
下に開いた放物線なので、頂点がいちばん高い。
4. 変化の割合
根拠: 学習指導要領 中3-C-(1)-ア-(ア)
変化の割合の求め方は一次関数と同じ( の増加量 ÷ の増加量)ですが、 ではその値が区間によって変わります。
関数 の変化の割合は、一次関数と同じように一定か?
一定ではない
をどこからどこまで増やすかで値が変わる。
で、 が から まで増加するときの変化の割合は?
。
5. 事象の中の関数 y=ax²
根拠: 学習指導要領 中3-C-(1)-ア-(イ)
物が落ちはじめてからの時間と落ちる距離、車の速さとブレーキがきき始めてから止まるまでの距離(制動距離)は、
どちらも2 乗に比例する関係として捉えられます。落下では、 秒間に落ちる距離はおよそ (m)です。
物が落ちはじめてからの時間 秒と落ちる距離 m の関係は、どんな関数とみなせるか?
(およそ )
時間が 2 倍になると、落ちる距離は 4 倍。
車の制動距離は速さの 2 乗に比例する。速さが 2 倍になると、制動距離は何倍になるか?
4 倍
速さを出すほど、止まるまでの距離が急に長くなる。
で、 が から まで増加するときの変化の割合は、落下の問題では何を表すか?
その間の平均の速さ
距離の増加量 ÷ 時間の増加量。
練習問題
問 1 は の 2 乗に比例し、 のとき である。 を の式で表し、 のときの の値を求めよ。
、
方針 「 は の 2 乗に比例する」ので、式は の形になる。分からないのは比例定数 だけ。1 組の 、 の値(、)を代入すれば が決まる。式ができたら、 を代入する。
- 式を とおく。
- 、 を代入する。
- なので、
- 両辺を 9 でわる。
- だから、式は
- この式に を代入する。
- なので、
ここで間違えやすい 負の数を代入するときは、かっこをつけて 2 乗する。 は で、 ではない。
問 2 関数 で、 の変域が のとき、 の変域を求めよ。
方針 の変域は、グラフの形から考える。 は比例定数が正なので、上に開いた放物線で、原点がいちばん低い。だから、最初に「 の変域に 0 が入っているか」を確かめる。入っていれば、最小値は両端ではなく のところでとる。
- の変域 は、負の数から正の数までなので、 をふくむ。
- 上に開いた放物線でいちばん低いのは原点なので、最小値は のとき。
- 最大値は、原点から遠いほうの端でとる。 の絶対値は 3、 の絶対値は 2 なので、遠いのは 。
- を代入する。
- 最小値が 0、最大値が 9 なので、
ここで間違えやすい 両端だけを代入して、 としない。 のとき だが、その途中の で は 0 まで下がっている。
問 3 関数 で、 の変域が のとき、 の変域を求めよ。
方針 は比例定数が負なので、下に開いた放物線で、原点がいちばん高い。問 2 と上下が逆になる。ここでも最初に「 の変域に 0 が入っているか」を確かめる。入っていれば、最大値は のところでとる。
- の変域 は、負の数から正の数までなので、 をふくむ。
- 下に開いた放物線でいちばん高いのは原点なので、最大値は のとき。
- 最小値は、原点から遠いほうの端でとる。 の絶対値は 1、 の絶対値は 3 なので、遠いのは 。
- を代入する。
- 最小値が 、最大値が 0 なので、
ここで間違えやすい 両端だけを代入して、 としない。 のとき だが、その途中の で は 0 まで上がっている。また、変域は小さいほう()を左に書く。
問 4 関数 で、 が 1 から 4 まで増加するときの変化の割合を求めよ。
15
方針 変化の割合は「 の増加量 ÷ の増加量」で求める。 では変化の割合が一定でないので、比例定数の 3 をそのまま答えにはできない。両端の と での の値を出して、増加量を計算する。
- のときの を求める。
- のときの を求める。
- の増加量は、
- の増加量は、
- 変化の割合は、
別の求め方: が から まで増加するときの変化の割合は なので、。同じ値になる。
ここで間違えやすい 一次関数と同じつもりで、比例定数の 3 を答えない。 の変化の割合は、区間によって変わる。
問 5 ある車の制動距離は速さの 2 乗に比例し、時速 40 km のとき 8 m だった。時速 80 km のときと、時速 60 km のときの制動距離を求めよ。
時速 80 km で 32 m、時速 60 km で 18 m
方針 速さを時速 km、制動距離を m とすると、 は の 2 乗に比例するので と表せる。時速 80 km は時速 40 km のちょうど 2 倍なので、「 が 2 倍なら は 4 倍」だけで求まる。時速 60 km はきりのよい倍ではないので、式を作ってから代入する。
- 時速 80 km のとき。速さは (倍)になっている。
- 2 乗に比例するので、制動距離は (倍)になる。(m)
- 時速 60 km のとき。まず式を作る。 に 、 を代入して、
- なので、
- 両辺を 1600 でわる。
- だから、式は
- この式に を代入する。 なので、(m)
確かめ:この式に を代入すると、 なので 。手順 2 と同じ値になる。
ここで間違えやすい 時速 60 km は 40 と 80 のまん中だからといって、8 m と 32 m のまん中の 20 m としない。2 乗に比例する関係では、まん中の値にならない。
問 6 物が落ちる距離を ( 秒、 m)とする。80 m 落ちるのは何秒後か。また、落ちはじめて 2 秒後から 4 秒後までの平均の速さを求めよ。
4 秒後、秒速 30 m
方針 前半は、 の値(80 m)が分かっていて を求めるので、式に を代入して方程式を解く。後半の平均の速さは「落ちた距離 ÷ かかった時間」で、これは の増加量 ÷ の増加量、つまり変化の割合と同じ計算になる。
- 前半。 に を代入する。
- 両辺を 5 でわる。
- 2 乗して 16 になる数は と 。 は時間なので正の数。だから (秒後)
- 後半。2 秒後までに落ちた距離を求める。(m)
- 4 秒後までに落ちた距離を求める。(m)
- この間に落ちた距離は (m)、かかった時間は (秒)
- 平均の速さは、。秒速 30 m
別の求め方:変化の割合の公式 を使うと、。同じ値になる。
ここで間違えやすい 平均の速さを としない。これは落ちはじめ(0 秒後)から 4 秒後までの平均で、2 秒後からの平均ではない。