連立方程式の解き方
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 2 学年 A 数と式 (2) 連立二元一次方程式 ア (ウ)「簡単な連立二元一次方程式を解くこと」。
0. 何を押さえるか
中 1 で、文字が 1 つの一次方程式は解けるようになっています。連立方程式を解く考えは、
2 つの式を組み合わせて文字を 1 つ消し、文字が 1 つの方程式にすることです。これを消去するといいます。
| 解き方 | どう消すか | 向いている形 |
|---|---|---|
| 加減法 | 2 つの式をたすかひく。係数をそろえてから | 、 のように、そろった形 |
| 代入法 | 一方の式を他方に代入する | のように、 や の形の式がある |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 係数の絶対値がそろったら、符号が同じならひく・違うならたす
- 代入するときはかっこを付ける( に を入れると )
- 片方の文字が求まったら終わりではない(もう一方も求め、答えは組で書く)
1. 加減法
根拠: 学習指導要領 中2-A-(2)-ア-(ウ)
と をたすと で が消え、。これを に入れて です。
係数がそろっていなければ、一方または両方の式を何倍かしてそろえます。
連立方程式を解く基本の考えは?
文字を 1 つ消去して、文字が 1 つの一次方程式にする
文字が 1 つの方程式なら中 1 の方法で解ける。
加減法とは?
2 つの式の左辺どうし・右辺どうしをたすかひくかして、1 つの文字を消す方法
消したい文字の係数の絶対値を、先にそろえておく。
加減法で、消したい文字の係数の絶対値がそろったとき、たすかひくかの分かれ目は?
符号が同じならひく、違うならたす
と ならひく。 と ならたす。
加減法で係数がそろっていないとき、どうするか?
一方または両方の式を何倍かして、消したい文字の係数の絶対値をそろえる
式を何倍かするときは、右辺も同じ数倍する。
2. 代入法
根拠: 学習指導要領 中2-A-(2)-ア-(ウ)
と なら、下の式の に を入れて 、つまり で 、 です。
代入法とは?
一方の式を (または )の形にして、他方の式に代入して文字を消す方法
代入する式にはかっこを付ける。
加減法と代入法、どちらを選ぶかの分かれ目は?
や の形の式があれば代入法、それ以外は加減法が楽なことが多い
どちらで解いても答えは同じ。計算が短くなるほうを選ぶ。
片方の文字の値が求まったあと、何をするか?
その値をどちらかの式に代入して、もう一方の文字も求める
答えは のように組で書く。最後に両方の式に代入して確かめるとよい。
3. いろいろな連立方程式
根拠: 学習指導要領 中2-A-(2)-ア-(ウ)
かっこ・分数・小数をふくむ式は、まず整理してから加減法か代入法を使います。
連立方程式に分数や小数をふくむ式があるとき、最初にすることは?
両辺に同じ数をかけて、係数を整数にする
分数なら分母の最小公倍数、小数なら 10 や 100 をかける。すべての項にかける。
の形の方程式は、どう連立方程式に直すか?
、、 のうちの 2 つを組にする
どの 2 つを選んでもよい。 が数なら 、 が作りやすい。
4. 文章題の立て方と答えの吟味
根拠: 学習指導要領 中2-A-(2)-ア-(ウ)
文章題は、何を 、 にするか決める → 等しい関係を 2 つ見つけて式にする → 解く → 答えが問題に合うか確かめるの順で進めます。
速さの文章題で、道のりと時間の 2 つの関係を式にするとき、時間はどう表すか?
時間 = 道のり ÷ 速さ
時速 4 km で km 歩くのにかかる時間は 時間。単位(分と時間)をそろえる。
「昨年より 10% 増えた」量を、昨年の量 で表すと?
(増えた分だけなら )
「増えた分」の式か「今年の量」の式かを取り違えない。
連立方程式を解いた後の答えの吟味とは?
解が問題の条件に合うかを確かめること
人数や個数が負の数や小数になったら、その解は答えにできない(式の立て方を見直す)。
練習問題
問 1 次の連立方程式を解け。 、
方針 の係数が と で、絶対値がそろっていて符号がちがう。だから 2 つの式をたせば が消える。式を何倍かする必要がないので、加減法がいちばん短い。
- 左辺どうし、右辺どうしをたす。
- 左辺は と が消えて 、右辺は なので、
- 両辺を 3 でわる。
- を 2 つめの式 に代入する。
- 3 を右辺へ移項する。 なので、
- 両辺を でわる。
- 確かめる。、 で、両方の式が成り立つ。
ここで間違えやすい が出たところで終わらない。 も求めて、答えは と組で書く。
問 2 次の連立方程式を解け。 、
方針 かっこや分数があるままでは、たしたりひいたりできない。まず 2 つの式を「かっこなし・係数が整数」の形に整理する。そのあと、 の係数をそろえて加減法で を消す。
- 1 つめの式のかっこをはずす。 なので、
- を右辺へ移項する。 なので、(これを①とする)
- 2 つめの式は、分母の 3 と 2 の最小公倍数 6 を両辺にかける。
- 計算すると、(これを②とする)
- の係数をそろえるために、①の両辺を 3 倍する。
- どうしで符号が同じなので、ここから②をひく。
- 左辺は 、右辺は 21 なので、。両辺を 7 でわって、
- を①に代入する。
- 9 を移項する。 なので、
ここで間違えやすい 6 をかけるときは、右辺の 2 にもかける()。①を 3 倍するときも、右辺の 11 まで 3 倍する。
問 3 次の連立方程式を解け。 、
方針 小数のままだと計算しにくいので、1 つめの式を 10 倍して係数を整数にする。2 つめの式は の係数が 1 で、すぐ の形にできるので、代入法で を消す。
- 1 つめの式の両辺を 10 倍する。、、 なので、
- 2 つめの式の を右辺へ移項して、 の形にする。
- これを の に代入する。かっこを付けて、
- かっこをはずす。
- 同類項をまとめる。
- を移項する。 なので、
- 両辺を 5 でわる。
- を に代入する。 なので、
ここで間違えやすい 10 倍するのは左辺だけではない。右辺の 1.3 も 10 倍して 13 にする。また、代入するときにかっこを付けないと、 となって に 2 がかからない。
問 4 次の方程式を解け。
方針 の形は、2 つの式に分けて連立方程式にする。 が数の 6 なので、「」と「」に分けると、どちらの式も右辺が数だけになって楽。
- 2 つの式に分ける。 と
- の係数が と で、絶対値がそろっていて符号がちがう。だから 2 つの式をたす。
- 左辺は が消えて 、右辺は 12 なので、
- 両辺を 3 でわる。
- を に代入する。
- 4 を右辺へ移項する。 なので、
- 両辺に をかける。
- 確かめる。、 で、どちらも 6 になる。
ここで間違えやすい で止めて としない。左辺が なので、符号を変えて 。
問 5 家から 12 km 離れた公園まで、はじめは時速 4 km で歩き、途中から時速 8 km で走ったら、全部で 2 時間かかった。歩いた道のりと走った道のりを求めよ。
歩いた道のり 4 km、走った道のり 8 km
方針 求めるものを 、 とおき、等しい関係を 2 つ見つける。ここでは「道のりの合計が 12 km」と「時間の合計が 2 時間」。時間は「道のり ÷ 速さ」で表す。
- 歩いた道のりを km、走った道のりを km とする。
- 道のりの関係を式にする。合わせて 12 km なので、(これを①とする)
- 時間を表す。歩いた時間は 時間、走った時間は 時間。
- 時間の関係を式にする。合わせて 2 時間なので、(これを②とする)
- ②の両辺に 8 をかけて、分母をはらう。 なので、(これを③とする)
- ①と③は の係数がどちらも 1 なので、③から①をひく。 なので、
- を①に代入する。 なので、
- 答えが問題に合うか確かめる。どちらも正の数。時間は で、2 時間になる。
ここで間違えやすい 時間の式を としない。 は「速さ × 道のり」で、時間にならない。
問 6 ある部の部員は昨年 300 人だった。今年は昨年と比べて男子が 10% 増え、女子が 5% 減ったので、全体で 6 人増えた。昨年の男子と女子の人数を求めよ。
男子 140 人、女子 160 人
方針 「10% 増えた」「5% 減った」は昨年の人数をもとにした割合なので、昨年の男子と女子を 、 とおく。式は「昨年の合計」と「増えた人数・減った人数」の 2 つで立てる。
- 昨年の男子を 人、女子を 人とする。
- 昨年の合計を式にする。(これを①とする)
- 増減を表す。男子が増えた人数は 人、女子が減った人数は 人。
- 全体で 6 人増えたので、増えた人数から減った人数をひくと 6 になる。(これを②とする)
- ②の両辺に 20 をかけて、係数を整数にする。、、 なので、(これを③とする)
- ①と③は の係数が と なので、たす。 なので、
- 両辺を 3 でわる。
- を①に代入する。 なので、
- 確かめる。男子は 140 人の 10% の 14 人が増え、女子は 160 人の 5% の 8 人が減る。今年の男子は 人、女子は 人で、合計は 人。昨年の 300 人より 6 人増えている。
ここで間違えやすい ②の右辺を 306 にしない。②は「増えた分・減った分」の式なので、右辺は増えた 6 人。今年の人数で式を立てるなら、 になる。