平行線と角
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 2 学年 B 図形 (1) 基本的な平面図形の性質 ア (ア)「平行線や角の性質を理解すること」。
0. 何を押さえるか
2 本の直線が交わったり、2 本の直線に 1 本の直線が交わったりすると、いくつもの角ができます。
その角どうしの位置の関係に名前を付け、どの角とどの角が等しいかを言えるようにするのがこのノートです。
ここで決めた性質は、この先のすべての図形の証明で「根拠」として使います。
| 角の組 | どこにできるか | いつ等しいか |
|---|---|---|
| 対頂角 | 2 直線が交わってできる、向かい合った角 | いつでも等しい |
| 同位角 | 2 直線に 1 直線が交わるとき、同じ位置にある角 | 2 直線が平行なとき |
| 錯角 | 2 直線に 1 直線が交わるとき、2 直線の内側で交差する位置にある角 | 2 直線が平行なとき |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 対頂角はいつでも等しいが、同位角・錯角は平行なときだけ等しい
- 「平行ならば角が等しい」と「角が等しければ平行」は別の事柄(性質と、平行になる条件)
- 錯角は 2 直線の内側(外側で交差する位置の角は錯角と呼ばない)
1. 対頂角
根拠: 学習指導要領 中2-B-(1)-ア-(ア)
2 直線が交わると 4 つの角ができ、向かい合った 2 つの角を対頂角といいます。
となり合う角は合わせて 180°(一直線)なので、、 から が出ます。
対頂角とは何か? また、どんな性質があるか?
2 直線が交わってできる角のうち、向かい合った角。対頂角は等しい
平行線が無くても、2 直線が交わりさえすればいつでも成り立つ。
対頂角が等しいことは、何を使って説明できるか?
一直線の角が 180° であること
、 なので、。
2 直線が交わってできる角の 1 つが 70° のとき、残りの 3 つの角は?
110°、70°、110°
となりの角は 、向かいの角(対頂角)は等しく 70°。
2. 同位角と錯角
根拠: 学習指導要領 中2-B-(1)-ア-(ア)
2 直線 、 に 1 本の直線 が交わると、交点のまわりに 4 つずつ、合わせて 8 つの角ができます。
それぞれの交点で同じ位置(どちらも右上、など)にある角が同位角、 と の間にあって をはさんで反対側にある角が錯角です。
同位角とは?
2 直線に 1 直線が交わるとき、2 つの交点のまわりで同じ位置にある角
たとえば、どちらの交点でも「右上」にある角どうし。
錯角とは?
2 直線に 1 直線が交わるとき、2 直線の内側で、交わる直線をはさんで反対側にある角
Z の字(または逆 Z)の折れ目にできる 2 つの角の形。
3. 平行線の性質と平行線になる条件
根拠: 学習指導要領 中2-B-(1)-ア-(ア)
平行な 2 直線に 1 直線が交わると、同位角・錯角は等しくなります(平行線の性質)。
逆に、同位角か錯角が等しければ、その 2 直線は平行です(平行線になる条件)。
平行線の性質(2 直線が平行ならば、何が言えるか)は?
同位角は等しい、錯角は等しい
平行でなければ、同位角・錯角は等しいとは限らない。
2 直線が平行になる条件は?
同位角が等しいか、錯角が等しいならば 2 直線は平行
どちらか 1 組が等しいことを言えば十分。
「平行線の性質」と「平行線になる条件」の違いは?
性質は 平行 → 角が等しい、条件は 角が等しい → 平行
向きが逆。証明では、何が分かっていて何を言いたいかでどちらを使うか決める。
平行な 2 直線に 1 直線が交わるとき、2 直線の内側で同じ側にある 2 つの角(同側内角)の和は?
180°
一方の角の錯角と、もう一方の角がとなり合って一直線をつくるから。
4. 三角形の内角の和
根拠: 学習指導要領 中2-B-(1)-ア-(ア)
△ABC の頂点 A を通り、辺 BC に平行な直線を引くと、∠B と ∠C はそれぞれ錯角として A のところへ移ります。
A のまわりで ∠B、∠A、∠C が一直線に並ぶので、三角形の内角の和は 180° です。
三角形の内角の和が 180° であることは、何を使って説明できるか?
平行線の錯角(または同位角)が等しいこと
1 つの頂点を通り、向かい合う辺に平行な直線を引く。3 つの角が一直線に集まる。
三角形の内角の和が 180° であることを、分度器で何個か測って確かめるのは、なぜ説明として足りないか?
測った三角形でしか確かめられず、すべての三角形で成り立つことは示せないから
測定には誤差もある。平行線の性質を使えば、どの三角形にも当てはまる。
練習問題
問 1 2 直線が交わってできる角のうち、1 つが 38° である。これと対頂角の関係にある角と、となり合う角の大きさを求めよ。
対頂角は 38°、となり合う角は 142°
方針 2 直線が交わると、4 つの角ができる。向かい合う角(対頂角)は等しいこと、となり合う角は合わせて一直線(180°)になることの 2 つを使う。
- 対頂角は等しいので、38° の角と向かい合う角は 38°。
- となり合う角は、38° の角と合わせて一直線になるので、2 つの和は 180°。
- 180° から 38° をひく。となり合う角は
ここで間違えやすい 対頂角は「向かい合う角」。となりの角と取り違えると、答えが逆になる。
問 2 直線 と が平行で、直線 がそれぞれと点 P、Q で交わっている。P のところにできる角のうち、 の右上の角が 65° のとき、Q のところの右上の角(同位角)と、Q のところの左上の角を求めよ。
右上の角 65°、左上の角 115°
方針 と が平行なので、「平行ならば同位角は等しい」(平行線の性質)が使える。左上の角は、右上の角ととなり合って一直線をつくることから求める。
- P のところの右上の角と、Q のところの右上の角は、2 つの交点で同じ位置にあるので同位角。
- と は平行なので、同位角は等しい。Q のところの右上の角は 65°。
- Q のところで、左上の角と右上の角はとなり合い、合わせて一直線になるので、2 つの和は 180°。
- 180° から 65° をひく。左上の角は
ここで間違えやすい 同位角が等しいと言えるのは、2 直線が平行なときだけ。問題文に「平行」とあることを先に確かめる。
問 3 直線 と に直線 が交わっていて、錯角の一方が 72°、他方が 70° である。 と は平行か。
平行ではない
方針 錯角が等しければ平行(平行線になる条件)。逆に、平行ならば錯角は必ず等しい(平行線の性質)ので、錯角が等しくなければ平行ではない。だから、2 つの錯角の大きさを比べる。
- 錯角の大きさを比べる。72° と 70° で、等しくない。
- もし と が平行なら、平行線の性質から、錯角は等しくなるはずである。
- 実際には錯角が等しくないので、平行だとすると 2 に合わない。 と は平行ではない。
ここで間違えやすい 2° しか違わなくても、平行とは言えない。少しでも違えば、2 直線をのばしていくとどこかで交わる。
問 4 △ABC の頂点 A を通り、辺 BC に平行な直線 を引く。 と辺 AB がつくる角のうち B の側にある角が 50°、 と辺 AC がつくる角のうち C の側にある角が 60° のとき、∠BAC、∠ABC、∠ACB を求めよ。
∠BAC = 70°、∠ABC = 50°、∠ACB = 60°
方針 と BC が平行なので、錯角が等しいことを使って、 のところにある 50° と 60° の角を、∠ABC と ∠ACB に移す。∠BAC は、A のところで 3 つの角が 上に一直線に並ぶことから求める。
- と辺 AB がつくる B の側の角(50°)と ∠ABC に注目する。この 2 つは、平行な と BC に直線 AB が交わってできる錯角。
- と BC は平行なので、錯角は等しい。∠ABC = 50°。
- 同じように、 と辺 AC がつくる C の側の角(60°)と ∠ACB は、直線 AC が交わってできる錯角なので、∠ACB = 60°。
- A のところでは、50° の角、∠BAC、60° の角の 3 つが 上に一直線に並ぶので、3 つの和は 180°。
- 180° から 2 つの角をひく。∠BAC は
- 確かめ。3 つの内角をたすと で、三角形の内角の和になっている。
問 5 △ABC で ∠A = 48°、∠B = 67° のとき、∠C を求めよ。
65°
方針 三角形の内角の和は 180°。3 つの角のうち 2 つが分かっているので、180° からその 2 つをひけば、残りの ∠C が出る。
- 内角の和の式を書く。∠A + ∠B + ∠C = 180° なので、
- 分かっている 2 つの角をたす。
- 180° からひく。