解の公式
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 3 学年 A 数と式 (3) 二次方程式 ア (ウ)「解の公式を知り,それを用いて二次方程式を解くこと」。
0. 何を押さえるか
を、文字のまま平方の形に変形して解くと、どの二次方程式にも使える式が出てきます。これが解の公式です。
どの形でも解けますが、いつでもいちばん速いわけではありません。
| 式の形 | まず考える解き方 |
|---|---|
| 、 | 平方根の考え |
| 左辺が因数分解できる | 因数分解 |
| どちらでもない | 解の公式 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- は符号ごと読む( なら 、)
- 約分は分子の各項すべてを割る( は )
- 文章題では解を吟味する(長さや個数に合わない解を捨てる)
1. 解の公式
根拠: 学習指導要領 中3-A-(3)-ア-(ウ)
解の公式は、平方の形に変形する解き方を、文字 のまま一度だけやっておいたものです。
二次方程式 の解の公式は?
分母は ( ではない)。根号の中は 。
解の公式は、どうやって導かれるか?
を平方の形 に変形して解く
両辺を で割り、定数項を移項し、 の係数の半分の 2 乗を両辺に加える。
で、解の公式の はそれぞれいくつか?
符号ごと読む。公式の は になる。
2. 公式を使うときの注意
根拠: 学習指導要領 中3-A-(3)-ア-(ウ)
公式に代入したあと、根号を の形に直し、約分できれば約分します。根号の中が平方数になれば、解は有理数になります。
を解の公式で解くと?
。分子の両方の項を で割る。
を約分して としてよいか?
いけない。
分母の は、分子の と の両方を割る。一方だけ割るのは誤り。
解の公式で、根号の中 が平方数になったら、解はどうなるか?
根号が外れて、有理数の解になる
なら で、。この式は因数分解でも解ける。
中学で解の公式を使うとき、根号の中 が負になる方程式は扱うか?
扱わない
負の数の平方根は無いので、実数の解をもたない。中学では実数の解をもつ二次方程式だけを扱う(内容の取扱い (2))。
3. 解き方の使い分け
根拠: 学習指導要領 中3-A-(3)-ア-(ウ)
解の公式はいつでも使えますが、計算が長くなります。式の形を見て、速い方法を先に試します。
二次方程式の左辺が因数分解できるとき、解の公式と因数分解のどちらを使うのが速いか?
因数分解
どちらでも同じ解になるが、因数分解のほうが計算が短く、誤りにくい。
や の形の二次方程式は、どう解くのが速いか?
平方根の考えで解く
、。わざわざ展開して解の公式を使う必要はない。
4. 二次方程式の利用
根拠: 学習指導要領 中3-A-(3)-ア-(ウ)
文章題では、求めるものを として二次方程式を作り、解きます。二次方程式の解は 2 つ出ることが多いので、問題の条件に合うかを確かめるところまでが答えです。
二次方程式の文章題で、解の吟味とは何をすることか?
求めた解が問題の条件に合うかを確かめ、合わない解を捨てること
長さ・個数・人数が負になる解、自然数でない解などは答えにしない。
ある正の整数 について が成り立つ。解が のとき、答えは?
だけ
は方程式の解だが、「正の整数」という条件に合わないので捨てる。
練習問題
問 1 を解け。
方針 まず因数分解できるかを見る。かけて 、たして になる整数の組はないので、因数分解では解けない。そこで解の公式 を使う。 は符号ごと読む。
- 係数を読む。
- 根号の中の を先に計算する。 で、
- 分子のはじめは なので 。分母は なので
- 公式に入れて、
は平方数で割れないので、 はこのままでよい。約分もできないので、これが答え。
ここで間違えやすい の符号。負の数どうしをかけるので になる( にしない)。
問 2 を解け。
方針 の係数が でなく、かんたんに因数分解できる形でもないので、解の公式 を使う。 が負の数なので、符号に気をつけて代入する。
- 係数を符号ごと読む。
- 根号の中の を先に計算する。 で、
- 分子のはじめは 。
- 分母は 。
- 公式に入れて、
ここで間違えやすい を のままにする(正しくは )。分母を にする(正しくは で )。
問 3 を解け。
方針 の係数が でないので、解の公式 を使う。根号の中が平方数になったら根号が外れるので、 のときと のときに分けて最後まで計算する。
- 係数を符号ごと読む。
- 根号の中の を先に計算する。 で、
- 分子のはじめは なので 。分母は なので 。公式に入れると、
- なので、
- のとき。 なので、
- のとき。 なので、
- 解は
ここで間違えやすい のまま答えにする。根号が外れたら、2 つの解をそれぞれ計算して約分する。
問 4 を解け。
方針 かけて 、たして になる整数の組はないので、因数分解では解けない。解の公式 を使う。出てきた根号は の形に直し、約分できるかを見る。
- 係数を符号ごと読む。
- 根号の中の を先に計算する。 で、
- 分子のはじめは で 。分母は で 。公式に入れると、
- 根号を直す。 で、 なので、。だから
- 分子の と の両方を、分母の で割る。、 は になる。
- 解は
確かめ(平方の形に変形する解き方): の両辺に を加えると 。ここから で、同じ になる。
ここで間違えやすい 約分で だけを割って としてしまう。分母の は、分子の両方の項を割る。
問 5 連続する 2 つの正の整数があり、その積は 72 である。この 2 つの整数を求めよ。
と
方針 求める数を文字でおいて、方程式を作る。小さいほうを とすると、連続する整数なので、大きいほうは 。「積が 72」を式にして解き、最後に「正の整数」という条件に合うかを確かめる。
- 小さいほうを とすると、大きいほうは 。積が なので、
- 左辺を展開する。
- を移項して、右辺を にする。
- 因数分解する。かけて 、たして になる 2 数を探すと、、 なので、 と 。だから
- または なので、
- は正の整数なので、 は問題に合わない。 は合う。
- 大きいほうは 。2 つの整数は と
確かめ: で、問題に合う。
ここで間違えやすい のまま「 または 」としてしまう。「どちらかが 」が使えるのは、右辺が のときだけ。
問 6 縦が横より 3 m 長い長方形の花だんがあり、面積は 40 m² である。横の長さを求めよ。
5 m
方針 求める横の長さを m とおく。縦は横より 3 m 長いので m。長方形の面積は「縦 × 横」なので、これが 40 になるという方程式を作って解く。最後に、長さとして合うかを確かめる。
- 横を m とすると、縦は m。面積が m² なので、
- 左辺を展開する。
- を移項して、右辺を にする。
- 因数分解する。かけて 、たして になる 2 数を探すと、、 なので、 と 。だから
- または なので、
- 長さは正の数なので、 は問題に合わない。 は合う。
- 横の長さは 5 m
確かめ:縦は で 8 m。面積は となり、問題に合う。