素因数分解
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 1 学年 A 数と式 (1) 正の数と負の数 ア (ア) と、
内容の取扱い (1)「自然数を素数の積として表すこと」。
0. 何を押さえるか
自然数は、かけ算でそれ以上分けられない数(素数)を部品にして組み立てられています。
自然数を素数の積として表すことを素因数分解といい、その表し方は(かける順番をのぞけば)1 通りしかありません。
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 素数 | 1 とその数自身のほかに約数がない自然数(1 は除く) | |
| 素因数 | 自然数を素数の積で表したときの、1 つ 1 つの素数 | の素因数は と |
| 素因数分解 | 自然数を素数の積として表すこと |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 1 は素数ではない
- 2 は素数(偶数の素数は 2 だけ)
- ある自然数の 2 乗になっている数は、素因数分解すると指数がすべて偶数
1. 素数
根拠: 学習指導要領 中1-A-(1)-ア-(ア)
約数が 1 とその数自身の 2 つだけの自然数が素数です。
約数が 3 つ以上ある自然数は、素数の積に分けられます。
素数とは、どんな数のことか?
1 とその数自身のほかに約数がない自然数(1 は除く)
言いかえると、約数がちょうど 2 つの自然数。
1 は素数か?
素数ではない
1 の約数は 1 だけで、2 つない。1 を素数に入れると、素因数分解が 1 通りに決まらなくなる。
偶数の中に素数はあるか?
2 だけある
2 の約数は 1 と 2。4 以上の偶数は 2 を約数にもつので素数でない。
20 以下の素数をすべて答えよ。
(8 個)
9 と 15 は奇数だが素数でない(、)。
91 は素数か?
素数ではない()
一の位が 1 で、2・3・5 でわり切れないので素数に見えるが、7 でわり切れる。
2. 素因数分解
根拠: 学習指導要領 中1-A-(1)-ア-(ア)
小さい素数から順にわっていき、商が素数になったら終わりです。
同じ素数が何個もかかるときは、指数を使って書きます。
素因数分解とは何か?
自然数を素数の積として表すこと
。素数の積として表したとき、それぞれの素数を素因数という。
1 つの自然数の素因数分解は、何通りあるか?
1 通り(かける順番をのぞく)
どの素数から先にわっても、最後に出てくる素数の組は同じになる。
素因数分解は、どんな手順で行うか?
小さい素数から順にわっていき、商が素数になったらやめる
わった素数と最後の商をすべてかけ合わせたものが答え。
を、指数を使って書くと?
同じ素数の積は累乗で書く。 は 2 を 3 個かけたもの。
3. 素因数分解の利用
根拠: 学習指導要領 中1-A-(1)-ア-(ア)
素因数分解すると、その数の約数や、ある数の 2 乗になるかどうかが一目で分かります。
ある自然数の 2 乗になっている数を素因数分解すると、指数にどんな特徴があるか?
どの素数の指数も偶数
は と書ける。指数が偶数なら、半分ずつ 2 組に分けられる。
ある自然数に、できるだけ小さい自然数をかけて 2 乗の数にしたい。何をかければよいか?
素因数分解して、指数が奇数の素数を 1 つずつかける
なら をかけて 。
自然数 の約数は、素因数分解からどう分かるか?
素因数の一部(または 1)をかけ合わせたものが約数
の 6 個。
練習問題
問 1 84 を素因数分解せよ。
方針 小さい素数(2、3、5、7 …)から順にわっていく。わり切れるあいだは同じ素数でわり、商が素数になったらやめる。
- 84 は偶数なので、2 でわる。
- 42 も偶数なので、もう一度 2 でわる。
- 21 は 2 でわり切れない。つぎの素数の 3 でわる。
- 7 は素数なので、ここでやめる。
- わった素数と最後の商を、すべてかけ合わせる。
- 同じ素数の積は指数でまとめる。 なので、
問 2 180 を素因数分解せよ。
方針 小さい素数から順にわっていく。180 は 2 でも 5 でもわり切れるが、いちばん小さい 2 から始めると、わり落としがない。
- 180 は偶数なので、2 でわる。
- 90 も偶数なので、もう一度 2 でわる。
- 45 は奇数で、2 でわり切れない。つぎの素数の 3 でわる。
- 15 も 3 でわり切れる。
- 5 は素数なので、ここでやめる。
- わった素数と最後の商を、すべてかけ合わせる。
- 同じ素数の積は指数でまとめる。
確かめ:
問 3 1 から 30 までの自然数のうち、素数はいくつあるか。
10 個
方針 素数は、約数が 1 とその数自身の 2 つだけの数。1 から 30 までの数から、素数でないもの(1 と、2・3・5 の倍数のうち 2・3・5 自身でないもの)を消していき、残った数を数える。
- 1 は素数でないので消す。
- 2 は素数。2 以外の偶数()は 2 でわり切れるので消す。
- 3 は素数。残っている 3 の倍数 を消す。
- 5 は素数。残っている 5 の倍数 を消す。
- 残った数は、。どれも、1 とその数自身でしかわり切れない。
- 数えると 10 個。
ここで間違えやすい 1 を素数に数えてしまう。また、、、、、 は奇数だが素数でない。
問 4 72 にできるだけ小さい自然数をかけて、ある自然数の 2 乗にしたい。どんな数をかければよいか。
2
方針 ある自然数の 2 乗になっている数は、素因数分解すると指数がすべて偶数になる。72 を素因数分解して、指数が奇数の素数を見つけ、それを 1 つかけて偶数にする。
- 72 を小さい素数から順にわる。、、、
- かけ合わせて、指数でまとめる。
- 指数を見る。2 の指数は 3(奇数)、3 の指数は 2(偶数)。
- 2 を 1 つかけると、2 の指数が 4 になって偶数になる。
- 確かめる。 で、
ここで間違えやすい 指数が偶数の 3 までかけてしまう。かけるのは、指数が奇数の素数だけ。
問 5 108 をできるだけ小さい自然数でわって、ある自然数の 2 乗にしたい。どんな数でわればよいか。
3
方針 2 乗の数は、素因数分解すると指数がすべて偶数になる。108 を素因数分解して、指数が奇数の素数を見つける。今度はわるので、その素数を 1 つ減らして偶数にする。
- 108 を小さい素数から順にわる。、、、
- かけ合わせて、指数でまとめる。
- 指数を見る。2 の指数は 2(偶数)、3 の指数は 3(奇数)。
- 3 でわると、3 の指数が 2 になって偶数になる。
- 確かめる。 で、
ここで間違えやすい でわっても で 2 乗の数になる。「できるだけ小さい自然数」なので、答えは 3。