正の数と負の数の計算
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 1 学年 A 数と式 (1) 正の数と負の数 ア (イ)「正の数と負の数の四則計算をすること」と、
内容の取扱い (2)「数の集合と四則計算の可能性」。
0. 何を押さえるか
負の数が入っても、計算は符号と絶対値に分けて考えれば小学校の計算に戻ります。
決まりを覚えることが半分、慣れることが半分です。慣れるほうは最後の練習問題で行います。
| 計算 | 符号の決め方 | 絶対値の決め方 |
|---|---|---|
| 同符号の 2 数の和 | 共通の符号 | 絶対値の和 |
| 異符号の 2 数の和 | 絶対値の大きいほうの符号 | 絶対値の大きいほうから小さいほうをひく |
| 減法 | ひく数の符号を変えて、加法に直す | (加法と同じ) |
| 乗法・除法 | 負の数が偶数個なら 、奇数個なら | 絶対値の積・商 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- と は違う( と )
- 逆数にしても符号は変わらない( の逆数は )
- 計算の順序は、累乗・かっこの中 → 乗法・除法 → 加法・減法
1. 加法と減法
根拠: 学習指導要領 中1-A-(1)-ア-(イ)
減法は「ひく数の符号を変えて加える」と、すべて加法に直せます。
加法だけの式にすると、項を並べかえて正の項どうし・負の項どうしをまとめられます。
異符号の 2 数の和は、符号と絶対値をどう決めるか?
絶対値の大きいほうの符号をつけ、絶対値の大きいほうから小さいほうをひく
は、 の符号で、 の 。答えは 。
同符号の 2 数の和は、符号と絶対値をどう決めるか?
共通の符号をつけ、絶対値の和をとる
は 。
減法を加法に直すには、どうするか?
ひく数の符号を変えて加える
は と同じで 。負の数をひくと、もとより大きくなる。
2. 乗法と除法
根拠: 学習指導要領 中1-A-(1)-ア-(イ)
乗法と除法は、まず符号を決め、次に絶対値を計算します。
除法は、わる数の逆数をかける乗法に直せます。
いくつかの数の積の符号は、どう決まるか?
負の数が偶数個なら 、奇数個なら
は負の数が 3 個なので 。どれかが 0 なら積は 0。
2 つの数が互いに逆数であるとは、どういうことか?
2 つの数の積が になること
と 、 と は互いに逆数。0 には逆数が無い。
の逆数は?
積が になるには、符号は同じでなければならない。逆数にしても符号は変わらない。
除法を乗法に直すには、どうするか?
わる数の逆数をかける
は と同じ。
3. 累乗と計算の順序
根拠: 学習指導要領 中1-A-(1)-ア-(イ)
同じ数をいくつかかけたものを累乗といい、右上の小さい数(指数)でかけた個数を表します。
指数がどこまでにかかるかで、答えの符号が変わります。
と の値は?
、
は 。 は で、指数は にしかかからない。
四則や累乗・かっこが混じった式は、どの順に計算するか?
累乗・かっこの中 → 乗法・除法 → 加法・減法
は、 が先、次にかけ算、最後にひき算。
分配法則を式で書くと?
も同じ。分数をふくむかっこに整数をかけるとき、計算が楽になる。
4. 数の集合と四則計算の可能性
根拠: 学習指導要領 中1-A-(1)-ア-(イ)
自然数の集まり、整数の集まり、数全体(分数や小数もふくむ)のように、数の集まりを数の集合と考えます。
ある集合の数どうしで計算したとき、答えがいつもその集合の中に入るかどうかが四則計算の可能性です。
数の範囲を負の数まで広げたのは、ひき算がいつでもできるようにするためだった、と見ることができます。
| 数の集合 | 加法 | 減法 | 乗法 | 除法 |
|---|---|---|---|---|
| 自然数 | いつでもできる | できないことがある | いつでもできる | できないことがある |
| 整数 | いつでもできる | いつでもできる | いつでもできる | できないことがある |
| 数全体 | いつでもできる | いつでもできる | いつでもできる | いつでもできる(0 でわることは除く) |
自然数の範囲で、いつでもできる計算はどれか(四則のうち)?
加法と乗法
減法は のように答えが自然数にならないことがある。除法も のようにならないことがある。
整数の範囲で、いつでもできるとは限らない計算はどれか?
除法
は整数にならない。加法・減法・乗法は、整数どうしならいつでも答えが整数。
数全体(分数・小数・負の数をふくむ)の範囲では、四則のどれがいつでもできるか?
加法・減法・乗法・除法のすべて(ただし 0 でわることは除く)
0 でわる計算は考えない。
練習問題
問 1 を計算せよ。
方針 たし算とひき算がまじっているので、まず全部をたし算に直す。ひき算は「ひく数の符号を変えてたす」。そのあと、正の数どうしを先にまとめる。
- を、符号を変えて にする。
- かっこをはずして書くと、
- 正の数を先にまとめる。
- 残りを計算する。
ここで間違えやすい を のままにして、 としてしまう。負の数をひくと、たし算になる。
問 2 を計算せよ。
方針 かけ算は、先に答えの符号を決め、あとで絶対値(符号をとった数)をかける。符号は、負の数の個数で決まる。
- 負の数を数える。、、 の 3 個。
- 3 個は奇数なので、答えの符号は 。
- 絶対値をかける。
- 符号をつけて、。
確かめ: 前から順に計算しても、、 で同じ。
問 3 を計算せよ。
方針 累乗を先に計算する。2 つの累乗は形がちがうので、指数の 2 が「どこまでにかかるか」を見分ける。
- は、指数が だけにかかる。 に をつけて、
- は、指数がかっこ全体にかかる。
- 2 つをたす。
ここで間違えやすい を と考えて にしてしまう。かっこが無いとき、 は累乗に入らない。
問 4 を計算せよ。
方針 分数でわるときは、わる数の逆数をかけるかけ算に直す。逆数にしても符号は変わらない。
- の逆数は、分子と分母を入れかえた 。
- わり算をかけ算に直す。
- 正の数と負の数の積なので、答えの符号は 。絶対値は 。
- 12 と分母の 3 を約分する。
- 符号をつけて、。
ここで間違えやすい 逆数にするときに符号まで変えて、 をかけてしまう。入れかえるのは分子と分母だけ。
問 5 を計算せよ。
方針 計算の順序を守る。累乗、かけ算、ひき算の順に計算する。左から順に計算してはいけない。
- 累乗を計算する。
- 式は になる。
- かけ算を計算する。
- 最後にひき算をする。
ここで間違えやすい 左から順に を先に計算して、 としてしまう。ひき算よりかけ算が先。
問 6 分配法則を使って を計算せよ。
方針 かっこの中を先に通分すると手間がかかる。 は 4 でも 3 でもわり切れるので、分配法則で をそれぞれの分数にかけると、分数が消える。
- かっこの中をたし算に直すと、。
- を、それぞれにかける。
- 1 つ目を計算する。負の数と正の数の積なので符号は 。12 と 4 を約分して、
- 2 つ目を計算する。負の数どうしの積なので符号は 。12 と 3 を約分して、
- 2 つをたす。
確かめ: かっこの中を先に計算すると、。 で同じ。
ここで間違えやすい 2 つ目の符号。 の を落として、 としてしまう。