正の数と負の数
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 1 学年 A 数と式 (1) 正の数と負の数 ア (ア)「正の数と負の数の必要性と意味」と
(ウ)「具体的な場面で正の数と負の数を用いて表したり処理したりすること」。
0. 何を押さえるか
小学校で使ってきた数は、0 と、0 より大きい数だけでした。中学では0 より小さい数を加えます。
「基準より 3 少ない」「3 m 西」のように、反対の向きを 1 つの数で表せるようになるのが、負の数の必要性です。
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 正の数 | 0 より大きい数 | 、、 |
| 負の数 | 0 より小さい数 | 、、 |
| 符号 | 数の前に付ける と | は正の符号、 は負の符号 |
| 自然数 | 正の整数 | |
| 絶対値 | 数直線上で、0 からその数までの距離 | の絶対値は |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 0 は正の数でも負の数でもない(そして自然数でもない)
- 負の数は、絶対値が大きいほど小さい()
- 絶対値は距離なので、0 以上( の絶対値は ではなく )
1. 正の数・負の数と符号
根拠: 学習指導要領 中1-A-(1)-ア-(ア)
正の数には 、負の数には の符号を付けます。正の数の は省いてよく、 は と書けます。
0 は、正の数・負の数のどちらか?
どちらでもない
正の数は 0 より大きい数、負の数は 0 より小さい数。0 はその境目。
自然数とは、どんな数のことか?
正の整数()
0 は自然数に入らない。 負の整数も入らない。
整数を「負の整数・0・正の整数」に分けたとき、自然数と同じものはどれか?
正の整数
整数は 。このうち が自然数。
2. 数直線と絶対値
根拠: 学習指導要領 中1-A-(1)-ア-(ア)
数直線では、0 の点を原点とし、右を正の向き、左を負の向きにとります。
右にある数ほど大きいので、負の数どうしでは 0 から遠い(絶対値が大きい)ほど小さくなります。
絶対値とは何か?
数直線上で、原点(0)からその数を表す点までの距離
距離なので負にならない。 の絶対値も の絶対値も 。0 の絶対値は 。
と では、どちらが大きいか?
()
負の数は、絶対値が大きいほど小さい。数直線で のほうが右にある。
絶対値が である数を、すべて答えよ。
と
原点から距離 3 の点は、右と左に 1 つずつある。
絶対値が より小さい整数は、いくつあるか?
5 つ()
0 を数え忘れない。 0 の絶対値は 0 で、2.5 より小さい。
3. 反対の性質を 1 つの数で表す
根拠: 学習指導要領 中1-A-(1)-ア-(ウ)
「東へ 3 km」を km とすると、「西へ 3 km」は km です。
反対の性質をもつ量は、片方を正の数にすれば、もう片方を負の数で表せます。
「5 kg 増える」を kg と表すとき、「 kg 増える」はどういう意味か?
2 kg 減る
負の数を使うと、「増える」という 1 つの言葉だけで減るほうも表せる。
「500 円の収入」を 円と表すとき、「300 円の支出」はどう表すか?
円
収入と支出は反対の性質をもつ量。
4. 基準との差で表す
根拠: 学習指導要領 中1-A-(1)-ア-(ウ)
いくつかの量を、ある基準との差(正の数・負の数)で表すと、計算が楽になります。
平均を求めるとき、基準の値 + 差の平均 で求められます(基準は仮の平均で、何を選んでもよい)。
基準との差を使って平均を求めるときの式は?
平均 = 基準の値 + (基準との差の合計)÷ 個数
差の合計が負なら、平均は基準より小さくなる。
基準との差で平均を求めるとき、基準はどう選べばよいか?
どの値を選んでもよい(計算しやすい値を選ぶ)
選び方で差の数値は変わるが、求まる平均は同じになる。
練習問題
問 1 次の数のうち、自然数をすべて選べ。
方針 自然数は「正の整数」のこと。数を 1 つずつ見て、「整数か」「0 より大きいか」の 2 つを確かめる。
- は整数だが、0 より小さい(負の整数)。自然数でない。
- は整数だが、正の数でも負の数でもない。自然数でない。
- は正の整数。自然数である。
- は 0 より大きいが、整数でない。自然数でない。
- は正の整数。自然数である。
問 2 次の数を小さい順に並べよ。
方針 数直線にならべるつもりで考える。左にある数ほど小さい。まず負の数・0・正の数に分け、負の数どうしは絶対値でくらべる。
- 分数を小数に直して、くらべやすくする。 は なので、 は 。
- 負の数は 、、 の 3 つ。絶対値は順に 、、。
- 負の数は絶対値が大きいほど小さいので、小さい順に 、、。
- 負の数のつぎに 、そのつぎに正の数の がくる。
- をもとの分数にもどして、。
ここで間違えやすい 負の数を、絶対値の小さい順(、、)にならべてしまう。負の数は、絶対値の大きいほうが小さい。
問 3 絶対値が 4 以下の整数は全部でいくつあるか。
9 つ
方針 絶対値は、数直線で 0 からその数までの距離。「4 以下」なので、0 からの距離が 4 までの整数を書き出して数える。
- 「以下」は 4 をふくむ。だから、絶対値が の整数をさがす。
- 絶対値が 0 の整数は、 の 1 つだけ。
- 絶対値が 1、2、3、4 の整数は、正と負に 1 つずつある。 と 、 と 、 と 、 と の 8 つ。
- 小さい順に書き出すと、。
- 合わせて (つ)。
ここで間違えやすい 0 を数え忘れる。また、「以下」なので と も数に入る。
問 4 5 人のテストの点数は 72, 68, 75, 70, 65 点だった。70 点を基準として平均点を求めよ。
70 点
方針 5 つの点数をそのままたすと、数が大きくなる。70 点との差(多ければ 、少なければ )だけを考え、差の平均を 70 にたす。
- それぞれの点数から 70 をひいて、基準との差を出す。、、、、
- 差を並べると 。
- 差の合計を出す。 と 、 と が打ち消し合うので、
- 差の平均は、合計を人数の 5 でわって、
- 基準の値に差の平均をたして、(点)
確かめ: そのままたすと で、。同じになる。
問 5 ある町の気温は、朝が ℃、昼が ℃だった。朝と昼の気温の差は何 ℃ か。
8 ℃
方針 気温の差は、数直線の上で 2 つの数がどれだけはなれているか。 と は 0 をはさんで反対側にあるので、0 までの長さを 2 つたす。
- から までの長さは 3( の絶対値)。
- から までの長さは 5。
- 合わせて (℃)。
- 式で書くと、大きいほうから小さいほうをひいて、。負の数をひくのは、符号を変えてたすのと同じ。
ここで間違えやすい としてしまう。ひくのは でなく 。