等式の変形
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 2 学年 A 数と式 (1) 文字を用いた式 ア (エ)「目的に応じて,簡単な式を変形すること」。
0. 何を押さえるか
長方形のまわりの長さの公式 は、 と から を求める形です。
逆に「まわりの長さと横の長さが分かっていて、縦の長さを知りたい」ときは、 の形に変形しておくと、数を入れるだけで求められます。
このように、等式をある文字 …の形に変形することを、その文字について解くといいます。
| 等式の性質 | 式で書くと( のとき) |
|---|---|
| 両辺に同じ数をたしても等しい | |
| 両辺から同じ数をひいても等しい | |
| 両辺に同じ数をかけても等しい | |
| 両辺を同じ数(0 でない)でわっても等しい | |
| 両辺を入れかえても等しい |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 解く文字以外は、数と同じように扱う( を について解くとき、 と はただの数)
- わるときは両辺の全体をわる( を 2 でわると 。 だけでなく左辺もすべて)
- 移項は符号を変える(等式の性質「両辺から同じものをひく」を短く書いたもの)
1. ある文字について解く
根拠: 学習指導要領 中2-A-(1)-ア-(エ)
方程式を解くときと同じ手順で、解く文字だけを左辺に残します。移項 → 係数でわるが基本の順です。
等式を「 について解く」とは?
等式を をふくまない式 の形に変形すること
右辺に が残っていたら、まだ解けていない。
ある文字について解くとき、ほかの文字はどう扱うか?
数と同じように扱う
を について解くなら、 を「数の 3 のようなもの」と見て移項する。
を について解いた式は?
( でもよい)
両辺を入れかえて 、2 でわって 、 を移項。
を について解くときの手順は?
を移項して 、両辺を 3 でわって
移項で符号が変わる。わるときは右辺のすべての項を 3 でわる。
2. 等式の性質を使う
根拠: 学習指導要領 中2-A-(1)-ア-(エ)
移項は「両辺から同じものをひく(たす)」を省略して書いたものです。
分数をふくむ式は、両辺に同じ数をかけて分母をはらってから解きます。
移項とは、等式のどの性質を使ったものか?
両辺に同じものをたす(ひく) 性質
の両辺から をひくと 。見かけ上、 が符号を変えて右辺へ移る。
を について解くとき、最初にすることは?
両辺に 2 をかけて分数をなくす()
そのあと両辺を でわり、左右を入れかえて 。
解く途中で のように、左辺が になった。次にすることは?
両辺に をかける()
右辺のすべての項の符号が変わる。 だけ変えて を変え忘れやすい。
両辺を文字 でわるとき、気をつけることは?
が 0 でないこと
0 でわることはできない。図形の辺の長さのように 0 にならない量ならよい。
3. 目的に応じて変形する
根拠: 学習指導要領 中2-A-(1)-ア-(エ)
同じ公式でも、何を求めたいかで変形する形が変わります。
何度も同じ種類の計算をするときは、先に求めたい文字について解いておくと、数を入れるだけで済みます。
速さの式 ( は道のり、 は時間)から、道のりを求めたいときの形は?
両辺に をかける。時間を求めたいなら、さらに でわって 。
公式をあらかじめ求めたい文字について解いておくと、何がよいか?
値を代入するだけでその文字の値が求まる
同じ種類の計算を何度もするときに、毎回方程式を解かなくて済む。
練習問題
問 1 を について解け。
方針 について解くので、 だけを左辺に残す。 は数と同じように扱って移項する。 の前の は、最後に両辺に をかけて消す。
- を右辺へ移項する。移項すると符号が変わるので、
- 左辺が なので、両辺に をかける。右辺はすべての項の符号が変わる。
を右辺へ、5 を左辺へ移項して とし、左右を入れかえて としてもよい。
ここで間違えやすい をかけるとき、 だけ符号を変えて を変え忘れると、 になってしまう。
問 2 を について解け。
方針 には と がかけられている。これを 1 つずつ取りのぞいて、 だけにする。分数があるときは、先に分母をはらう。
- 両辺に 3 をかけて、分数をなくす。右辺は なので、
- にかけられている を取りのぞくために、両辺を でわる。
- 左右を入れかえて、 を左辺にする。
問 3 を について解け。
方針 は分数の分子の中にある。まず両辺に 2 をかけて分母をはらい、そのあと 以外の を移項する。
- 両辺に 2 をかける。右辺は なので、
- が左辺に来るように、左右を入れかえる。
- を右辺へ移項する。符号が変わるので、
ここで間違えやすい 最初に だけを移項して としない。 は分子の中にあるので、分母をはらうまで外へ出せない。
問 4 まわりの長さが 30 cm の長方形がある。縦の長さを cm、横の長さを cm とするとき、 を の式で表せ。また、 のときの を求めよ。
、 のとき
方針 長方形のまわりの長さは「縦 横」。これを式にして、 について解く。 の形にしておけば、 を入れるだけで が求まる。
- まわりの長さが 30 cm であることを式にする。
- 両辺を 2 でわる。
- を右辺へ移項する。符号が変わるので、
- この式に を代入する。 なので、
- 確かめる。縦 6 cm、横 9 cm のまわりの長さは で、問題に合う。
問 5 を について解け。
( でもよい)
方針 について解くので、 の項だけを左辺に残す。 を移項してから、 の係数 4 で両辺をわる。
- を右辺へ移項する。符号が変わるので、
- 両辺を 4 でわる。右辺は項ごとに 4 でわる。
- 約分する。、 なので、
- 項の順を入れかえて、
ここで間違えやすい 4 でわるのは右辺の全部。8 だけをわって としない。