確率
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 2 学年 D データの活用 (2) 不確定な事象の起こりやすさ ア (ア)「多数回の試行によって得られる確率と関連付けて,
場合の数を基にして得られる確率の必要性と意味を理解すること」と (イ)「簡単な場合について確率を求めること」。
0. 何を押さえるか
中 1 では、実際に何回も投げて、相対度数から起こりやすさを調べました(多数回の試行による確率)。
中 2 では、どの結果が起こることも同じ程度に期待できるとき、起こりうる場合の数を数えて確率を求めます。
( は起こりうるすべての場合の数、 はそのことがらの起こる場合の数)
| ことがら | 確率 |
|---|---|
| 必ず起こる | 1 |
| 決して起こらない | 0 |
| A が起こる | () |
| A が起こらない |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- どの場合も同様に確からしくなるように数える(硬貨 2 枚の「表 1 枚・裏 1 枚」は 1 通りではなく 2 通り)
- 確率 は「6 回に必ず 1 回」ではない。多数回くり返したときの割合の目安
- 「少なくとも 1 つ」は、起こらない確率を 1 から引く
1. 同様に確からしいと確率の意味
根拠: 学習指導要領 中2-D-(2)-ア-(ア)
正しく作られたさいころでは、1〜6 のどの目が出ることも同じ程度に期待できます。
このことを「同様に確からしい」といいます。そうであれば、場合の数の比で確率が求まります。
「同様に確からしい」とはどういうことか?
どの結果が起こることも、同じ程度に期待できること
これが成り立つときだけ、 で確率を求めてよい。
場合の数を基にして確率を求める式は?
は起こりうるすべての場合の数、 はそのことがらが起こる場合の数。
確率 のとる値の範囲は?
必ず起こることがらの確率は 1、決して起こらないことがらの確率は 0。
さいころを 1 回投げて 7 の目が出る確率は?
0
決して起こらないことがら。 なので 。
さいころで 1 の目が出る確率が であることは、どんな意味か?
何回も投げると、1 の目の出る相対度数が に近づく
6 回投げれば必ず 1 回出る、という意味ではない。
多数回の試行による確率と、場合の数を基にした確率は、どんな関係か?
試行の回数を多くすると、相対度数は場合の数から求めた確率に近づく
だから場合の数から求めた確率を、起こりやすさの目安にできる。
2. 起こらない確率
根拠: 学習指導要領 中2-D-(2)-ア-(ア)
「A が起こる」と「A が起こらない」の場合の数を合わせると、すべての場合の数になります。
ことがら A の起こる確率が のとき、A の起こらない確率は?
起こる場合の数と起こらない場合の数を足すと になるから。
「少なくとも 1 回は表が出る」確率を求める近道は?
1 −(1 回も表が出ない確率)
「少なくとも 1 回」の場合は多いので、反対の「1 回も出ない」を数えて引く。
3. 場合の数の数え方
根拠: 学習指導要領 中2-D-(2)-ア-(イ)
場合の数は、樹形図や表を使って、もれなく重なりなく数えます。
さいころ 2 個なら 6 × 6 の表、硬貨なら表・裏の枝分かれの樹形図が便利です。
大小 2 個のさいころを投げるとき、目の出方は全部で何通りか?
36 通り(6 × 6)
大小を区別する。(1, 2) と (2, 1) は別の出方。
2 枚の硬貨を投げて、1 枚が表・1 枚が裏になる確率は?
出方は(表, 表)(表, 裏)(裏, 表)(裏, 裏)の 4 通りで、そのうち 2 通り。「表表・表裏・裏裏」の 3 通りとして にしない(3 つは同様に確からしくない)。
くじを「続けて引く(もどさない)」ときと「同時に引く」ときで、数え方はどう違うか?
続けて引くときは順番を区別し、同時に引くときは順番を区別しない(組み合わせを数える)
5 本から 2 本なら、続けて引くと 20 通り、同時に引くと 10 通り。
当たりが 2 本入った 5 本のくじを、A、B の順に 1 本ずつ引く(もどさない)。B が当たる確率は、A が当たる確率と比べてどうか?
等しい(どちらも )
引く順番で当たりやすさは変わらない。
練習問題
問 1 大小 2 個のさいころを投げるとき、出る目の和が 9 以上になる確率を求めよ。
方針 さいころ 2 個の目の出方は全部で 36 通りで、どれも同様に確からしい。そのうち、和が 9、10、11、12 になる出方を書き出して数える。確率は「あてはまる場合の数 ÷ すべての場合の数」。
- すべての出方は、 通り。
- 和が 9 になるのは、(大, 小)が (3, 6)、(4, 5)、(5, 4)、(6, 3) の 4 通り。
- 和が 10 になるのは、(4, 6)、(5, 5)、(6, 4) の 3 通り。
- 和が 11 になるのは、(5, 6)、(6, 5) の 2 通り。
- 和が 12 になるのは、(6, 6) の 1 通り。
- 合わせると、 通り。
- 確率は 。分子と分母を 2 で割って約分すると、
ここで間違えやすい 大小を区別するので、(3, 6) と (6, 3) は別の出方として 2 通りに数える。(5, 5) は 1 通りだけ。
問 2 大小 2 個のさいころを投げるとき、出る目の積が奇数になる確率を求めよ。
方針 かけ算の答えが奇数になるのは、「奇数 × 奇数」のときだけ。片方でも偶数なら、積は偶数になる。だから、両方とも奇数になる出方を数える。
- すべての出方は、 通り。
- 大きいさいころが奇数になるのは、1、3、5 の 3 通り。
- 小さいさいころが奇数になるのも、1、3、5 の 3 通り。
- 両方とも奇数になる出方は、 通り。
- 確率は 。分子と分母を 9 で割って約分すると、
ここで間違えやすい 「奇数か偶数かの 2 つに 1 つ」と考えて としない。積が偶数になる出方のほうが多い( 通り)。
問 3 3 枚の硬貨を同時に投げるとき、少なくとも 1 枚は表が出る確率を求めよ。
方針 「少なくとも 1 枚は表」には、表が 1 枚・2 枚・3 枚の場合が全部入るので、数えるのが大変。反対の「1 枚も表が出ない(3 枚とも裏)」を数えて、1 から引く。
- 硬貨 1 枚の出方は表・裏の 2 通り。3 枚では、 通り。
- 3 枚とも裏になるのは、(裏, 裏, 裏)の 1 通りだけ。その確率は
- 「少なくとも 1 枚は表」は、「3 枚とも裏」が起こらない場合。だから 1 から引く。
- 直接数えて確かめる。表が 1 枚は 3 通り、表が 2 枚は 3 通り、表が 3 枚は 1 通りで、 通り。同じ になる。
ここで間違えやすい 3 枚の硬貨は区別して数える。(表, 裏, 裏)(裏, 表, 裏)(裏, 裏, 表)は別の出方。
問 4 当たりが 2 本入った 5 本のくじから、同時に 2 本引く。少なくとも 1 本当たる確率を求めよ。
方針 同時に引くので、順番は区別せず、2 本の組を数える。「少なくとも 1 本当たる」は、反対の「2 本ともはずれ」を数えて 1 から引くと早い。
- くじに番号を付けて区別する。当たりを①②、はずれを③④⑤とする。
- 2 本の組を、もれなく書き出す。①②、①③、①④、①⑤、②③、②④、②⑤、③④、③⑤、④⑤ の 10 通り。
- 2 本ともはずれになるのは、③④、③⑤、④⑤ の 3 通り。その確率は
- 「少なくとも 1 本当たる」は、「2 本ともはずれ」が起こらない場合。だから 1 から引く。
- 直接数えて確かめる。当たりが入っている組は、①②、①③、①④、①⑤、②③、②④、②⑤ の 7 通り。同じ になる。
ここで間違えやすい 同時に引くときは、①③ と ③① を別々に数えない。同じ 1 組である。
問 5 1、2、3、4 の数字を書いたカードが 1 枚ずつある。よくきって 1 枚ずつ 2 回続けて引き、1 枚目を十の位、2 枚目を一の位として 2 けたの整数をつくる。この整数が 3 の倍数になる確率を求めよ。
方針 できる整数を樹形図の考えで全部書き出し、その中から 3 の倍数を数える。続けて引く(もどさない)ので、同じ数字は 2 回使えない。
- 十の位は 4 通り。一の位は、残りの 3 枚から選ぶので 3 通り。できる整数は 通り。
- 全部書き出す。12、13、14、21、23、24、31、32、34、41、42、43。
- この中から 3 の倍数を選ぶ。、、、 の 4 通り。
- 確率は 。分子と分母を 4 で割って約分すると、
ここで間違えやすい 11、22、33、44 は作れない。1 枚目のカードをもどさないので、同じ数字は 2 回出ない。すべての場合を 通りとしない。