相似比と面積比・体積比
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 3 学年 B 図形 (1) 図形の相似 ア (イ)「基本的な立体の相似の意味及び相似な図形の相似比と面積比や体積比との関係について理解すること」。
0. 何を押さえるか
長さが 2 倍になると、面積は縦も横も 2 倍で 倍、体積は縦・横・高さが 2 倍で 倍になります。
相似比が の図形では、次の関係になります。
| 比べるもの | 比 |
|---|---|
| 長さ(辺・周の長さ・高さ) | 相似比 |
| 面積(平面図形の面積・立体の表面積) | 面積比 |
| 体積 | 体積比 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 面積比を相似比と取り違えない(相似比 なら面積比は )
- 周の長さの比は相似比のまま(周は長さなので 2 乗しない)
- 比から逆算するときは、いったん相似比に戻す(体積比 → 相似比 → 表面積比 )
1. 立体の相似
根拠: 学習指導要領 中3-B-(1)-ア-(イ)
平面図形と同じく、一方の立体を拡大または縮小すると他方と合同になるとき、2 つの立体は相似です。
2 つの立体が相似であるとは、どういうことか?
一方を拡大または縮小したものが、他方と合同になること
対応する線分の比はすべて等しく、対応する面はそれぞれ相似になる。
次のうち、いつでも相似と言えるものはどれか? 球どうし/立方体どうし/直方体どうし
球どうし、立方体どうし
形が 1 つに決まる立体はいつでも相似。直方体は縦・横・高さの比が違えば相似でない。
2. 相似比と面積比
根拠: 学習指導要領 中3-B-(1)-ア-(イ)
面積は長さを 2 回かけて求めるので、長さの比が なら、面積の比は になります。
相似比が の 2 つの図形の面積比は?
面積は長さ × 長さなので、相似比を 2 乗する。
相似比が の 2 つの三角形の面積比は?
。面積比を としてしまうのが典型的な取り違え。
相似比が の 2 つの図形の、周の長さの比は?
(相似比と同じ)
周の長さは長さなので 2 乗しない。面積比と混ぜない。
相似比が の 2 つの立体の、表面積の比は?
表面積も面積なので、面積比と同じく相似比を 2 乗する。
3. 相似比と体積比
根拠: 学習指導要領 中3-B-(1)-ア-(イ)
体積は長さを 3 回かけて求めるので、長さの比が なら、体積の比は になります。
相似比が の 2 つの立体の体積比は?
体積は長さ × 長さ × 長さなので、相似比を 3 乗する。
相似比が の 2 つの立体の体積比は?
。表面積比なら 。
4. 比から逆算する
根拠: 学習指導要領 中3-B-(1)-ア-(イ)
面積比や体積比が分かっているときは、いったん相似比に戻してから、求めたい比を作ります。
相似な 2 つの図形の面積比が のとき、相似比は?
、。面積比から相似比へは、2 乗して元に戻る数を探す。
相似な 2 つの立体の体積比が のとき、表面積の比は?
体積比 から相似比 に戻し、それを 2 乗する。
円錐を、高さの半分のところで底面に平行な平面で切る。上の小さな円錐と、もとの円錐の体積比は?
小さな円錐ともとの円錐は相似で、相似比は 。体積比は 。残りの部分(下)と比べるなら 。
練習問題
問 1 相似比が の 2 つの三角形がある。小さいほうの面積が 18 cm² のとき、大きいほうの面積を求めよ。
50 cm²
方針 比べるのは面積なので、相似比 をそのまま使えない。相似比を 2 乗して面積比に直してから、比例式を作る。
- 相似比 を 2 乗して、面積比にする。
- 大きいほうの面積を cm² として、小さいほう:大きいほうの順に比例式を作る。
- 外側どうしの積と内側どうしの積が等しいので、
- なので、
ここで間違えやすい 相似比のまま として、 としない。面積の比は 2 乗する。
問 2 相似な 2 つの円柱があり、高さはそれぞれ 4 cm と 6 cm である。小さいほうの体積が 40 cm³ のとき、大きいほうの体積を求めよ。
135 cm³
方針 高さは長さなので、高さの比がそのまま相似比になる。比べるのは体積なので、相似比を 3 乗して体積比に直してから、比例式を作る。
- 対応する高さの比から、相似比を求める。
- 相似比を 3 乗して、体積比にする。
- 大きいほうの体積を cm³ として、小さいほう:大きいほうの順に比例式を作る。
- 外側どうしの積と内側どうしの積が等しいので、
- なので、
ここで間違えやすい 2 乗()は面積比。体積は長さを 3 回かけるので、3 乗する。
問 3 2 つの球の表面積の比が である。体積比を求めよ。
方針 球どうしはいつでも相似である。ただし、表面積の比から体積の比へ、直接は行けない。いったん相似比(長さの比)にもどしてから、3 乗して体積比を作る。
- 表面積は面積なので、表面積の比は相似比を 2 乗したもの。2 乗して 4 と 25 になる数を探すと、、
- だから、表面積の比は で、相似比は
- 相似比を 3 乗して、体積比にする。
ここで間違えやすい をそのまま 3 乗しない。3 乗するのは、相似比の である。
問 4 円錐を、底面に平行な平面で、高さを頂点のほうから に分けるように切る。上の小さな円錐と、下の部分(円錐台)の体積比を求めよ。
方針 底面に平行な平面で切ると、上にできる小さな円錐は、もとの円錐と相似になる。下の部分(円錐台)は円錐ではないので、相似の関係は使えない。そこで、小さな円錐ともとの円錐の体積比を先に出し、もとの円錐から小さな円錐をひいて、下の部分を求める。
- 小さな円錐の高さを 1 とする。高さを に分けたので、下の部分の高さは 2。
- もとの円錐の高さは、上と下を合わせて
- 小さな円錐ともとの円錐の相似比は、高さの比で
- 相似比を 3 乗して、体積比にする。
- 小さな円錐の体積を 1 とすると、もとの円錐は 27。下の部分は、もとの円錐から小さな円錐をひいて
- 小さな円錐:下の部分は、
ここで間違えやすい 2 つある。相似比を としない( は上と下の高さの比で、もとの円錐の高さは 3)。また、 で止めない(27 はもとの円錐全体で、下の部分ではない)。
問 5 縮尺 25000 分の 1 の地図上で、面積が 4 cm² の土地がある。実際の面積は何 km² か。
0.25 km²
方針 地図は、実際の土地を縮小した相似な図形である。縮尺は長さの比(相似比)なので、面積を比べるときは 2 乗する。まず cm² のまま実際の面積を出し、そのあと単位を m²、km² の順に直す。
- 地図と実際の相似比は、縮尺から
- 相似比を 2 乗して、面積比にする。 なので、面積比は
- 実際の面積は、地図上の面積の 625000000 倍。(cm²)
- cm² を m² に直す。1 m は 100 cm なので、1 m² は (cm²)。(m²)
- m² を km² に直す。1 km は 1000 m なので、1 km² は (m²)。(km²)
確かめ:地図上の 1 cm は、実際には 25000 cm、つまり 250 m で 0.25 km。地図上の 4 cm² を 1 辺 2 cm の正方形と考えると、実際は 1 辺 0.5 km の正方形で、(km²)。
ここで間違えやすい 面積を 25000 倍としない(25000 倍になるのは長さ)。単位の直し方も同じで、1 m² は 100 cm² ではなく 10000 cm² である。