平方根の利用と近似値
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 3 学年 A 数と式 (1) 正の数の平方根 ア (ウ)「具体的な場面で数の平方根を用いて表したり処理したりすること」と、
第 3 学年の内容の取扱い (1)「誤差や近似値, の形の表現を取り扱う」。
0. 何を押さえるか
は無理数なので、小数で書くと終わりがありません。長さを測る・材料を切るといった場面では、
およその値(近似値)を使います。測定した値も、ほとんどは近似値です。
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 近似値 | 真の値に近い値 | の近似値 |
| 誤差 | 近似値から真の値をひいた差 | 誤差 = 近似値 − 真の値 |
| 有効数字 | 近似値を表す数字のうち、信頼できる数字 | の |
| の数と 10 の累乗の積で表す形 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 平方根のおよその値は、2 乗して連続する整数ではさむ( だから )
- 四捨五入で得た近似値の真の値は、範囲でしか分からない(端は「以上」と「未満」)
- の の桁数が有効数字の桁数( と は別の意味)
1. 平方根のおよその値
根拠: 学習指導要領 中3-A-(1)-ア-(ウ)
平方根のおよその大きさは、2 乗した値を平方数ではさんで見積もります。よく使う平方根は近似値を覚えておくと、
根号を の形に直してから使えます。
は、どの連続する 2 つの整数の間にあるか?
と の間()
、 で、 だから。2 乗した平方数ではさむ。
と の近似値(小数第 3 位まで)は?
、
は にごく近く、 は にごく近い。
の近似値(小数第 3 位まで)は?
は にごく近い。
を使って の近似値を求めるには、どうするか?
と直して、
根号の中を、近似値を知っている数()と平方数()の積に分ける。
2. 正方形の 1 辺と平方根
根拠: 学習指導要領 中3-A-(1)-ア-(ウ)
面積が分かっている正方形の 1 辺は、面積の正の平方根です。長さは負にならないので、負のほうは使いません。
面積が cm² の正方形の 1 辺の長さは?
cm
1 辺を cm とすると 。長さは正なので、 の平方根のうち正のほうだけ。
面積が cm² の正方形の 1 辺は、およそ何 cm か?(小数第 1 位まで)
およそ cm()
、 ではさむと と の間。 も より小さいので、 より大きく、四捨五入すると 。
3. 近似値と誤差
根拠: 学習指導要領 中3-A-(1)-ア-(ウ)
測定で得た値や四捨五入した値は、真の値そのものではありません。どれだけずれているかを誤差といい、
四捨五入で得た値なら、真の値がどの範囲にあるかまでは分かります。
近似値とは何か?
真の値に近い値
測定値、四捨五入した値、 を と表した値などが近似値。
誤差は、どう定めるか?
誤差 = 近似値 − 真の値
近似値のほうが大きければ誤差は正、小さければ負になる。
ある長さを測り、小数第 2 位を四捨五入して cm を得た。真の値 の範囲は?
は四捨五入で になる(以上)が、 は になる(未満)。誤差の絶対値は 以下。
4. 有効数字と の形
根拠: 学習指導要領 中3-A-(1)-ア-(ウ)
「2500 m」と書くと、末尾の 0 が測った数字なのか、位を表すだけの 0 なのかが分かりません。
そこで、信頼できる数字(有効数字)をはっきりさせるために、 の形で書きます。
有効数字とは何か?
近似値を表す数字のうち、信頼できる数字
m の位まで測った m なら、有効数字は の 3 けた。
有効数字をはっきりさせる の形で、 はどんな範囲の数にするか?
(整数部分が 1 けた)
に有効数字をすべて並べ、位は で表す。
m と m は、何が違うか?
有効数字の桁数(2 けたと 3 けた)
の末尾の は「10 m の位まで測って 0 だった」という意味の信頼できる数字。
練習問題
問 1 は、どの連続する 2 つの整数の間にあるか。
と の間
方針 のおよその大きさは、2 乗した数で考える。 を、となり合う 2 つの平方数(整数を 2 乗した数)ではさむ。
- に近い平方数を並べる。、、
- は と の間にある。
- 根号を付けても大小の順は変わらないので、
- 、 なので、。 と の間にある。
問 2 として、 と の近似値を求めよ。
、
方針 近似値が分かっているのは だけ。だから、どちらの数も「 に数をかけた形・割った形」に直してから、 を入れる。
- を の形に直す。 で、 なので、
- に を入れる。 なので、
- は、分母と分子に をかけて有理化する。分母は になるので、
- に を入れる。 なので、
ここで間違えやすい 有理化しないまま を計算しようとする。まちがいではないが、割り算が長くなる。先に有理化すれば、 で割るだけですむ。
問 3 面積が m² の正方形の土地の 1 辺の長さを、根号を使って表せ。また、 としておよその値を求めよ。
m、およそ m
方針 正方形の面積は「1 辺 × 1 辺」。だから 1 辺は、2 乗すると面積になる数、つまり面積の平方根になる。長さなので正のほうだけを使う。そのあと の形に直してから、近似値を入れる。
- 1 辺を m とすると、
- 長さは正の数なので、
- の形に直す。 で、 なので、
- に を入れる。
- 1 辺は m で、およそ m
問 4 ある長さを測り、小数第 2 位を四捨五入して cm を得た。真の値 の範囲を不等号で表せ。
方針 小数第 2 位を四捨五入して になる数の、いちばん小さい数と、ならなくなる境目を調べる。境目は、 から だけ小さい数と、 だけ大きい数。
- 小さいほうの境目を求める。
- は、小数第 2 位の を切り上げて になる。だから は範囲に入る(以上)。
- 大きいほうの境目を求める。
- は、小数第 2 位の を切り上げて になる。だから は範囲に入らない(未満)。
- 合わせて、
ここで間違えやすい 両方に等号を付けて としてしまう。大きいほうの端は入らない。
問 5 地球から月までの距離はおよそ km である。有効数字を 3 けたとして、 の形で表せ。
km
方針 の は、整数の部分が 1 けたの数にする。そこに有効数字を全部並べ、位の大きさは の累乗で表す。
- 有効数字は 3 けたなので、上から の 3 つ。
- 整数の部分が 1 けたになるように並べると、
- が の何倍かを調べる。 の小数点を右へ 5 けた動かすと になるので、
- は を 5 回かけた数なので、
- 答えは km
ここで間違えやすい と書いてしまう。 は 以上 未満の数にする。