因数分解
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 3 学年 A 数と式 (2) 簡単な多項式 ア (イ)「簡単な一次式の乗法の計算及び次の公式を用いる簡単な式の展開や因数分解をすること」のうち因数分解。
0. 何を押さえるか
因数分解は展開の逆です。展開が「積 → 和」なら、因数分解は「和 → 積」。
だから使う公式も、乗法公式を右から左へ読んだものになります。
| 形 | 因数分解 |
|---|---|
| 共通因数 | |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- まず共通因数をくくり出す(公式はそのあと)
- 共通因数は残らずくくる( は 。 で止めない)
- は「和が 、積が 」の 2 数を探す(積の符号から先に決める)
1. 因数と因数分解
根拠: 学習指導要領 中3-A-(2)-ア-(イ)
のように、1 つの式がいくつかの式の積で表されるとき、かけられている 1 つ 1 つの式を因数といいます。
因数とは何か?
1 つの式がいくつかの式の積の形に表されるとき、その 1 つ 1 つの式
の と が、 の因数。
因数分解とは何か?
多項式を、いくつかの因数の積の形に表すこと
展開の逆の操作。。
2. 共通因数をくくり出す
根拠: 学習指導要領 中3-A-(2)-ア-(イ)
すべての項に共通する因数があれば、分配法則を逆に使ってかっこの外に出します。
を因数分解すると?
分配法則 を逆向きに使う。 が共通因数。
を因数分解すると?
係数の最大公約数 と文字 を両方くくる。かっこの中に共通因数が残っていたら未完成。
3. 公式を使う因数分解
根拠: 学習指導要領 中3-A-(2)-ア-(イ)
乗法公式を右から左へ読みます。 の形なら、かけて 、たして になる 2 数を探します。
積の組のほうが候補が少ないので、積から探すのが近道です。
を に因数分解するとき、 はどんな 2 数か?
和が 、積が になる 2 数
なら、積が で和が の と 。。
を因数分解すると?
積が (負)なので 2 数は異符号。和が になるのは と 。
、 を因数分解すると?
、
両端が 2 乗の形で、真ん中が「両端のもとの積の 2 倍」になっているかを確かめる。
を因数分解すると?
2 乗 − 2 乗の形。。 はこの形にならない。
を因数分解すると?
で、真ん中の が に一致する。
4. まず共通因数
根拠: 学習指導要領 中3-A-(2)-ア-(イ)
公式が使えそうに見えない式も、共通因数をくくると公式の形が現れることがあります。
因数分解の手順で、公式より先にすることは?
共通因数をくくり出す
は、先に とすると公式が使えて になる。
で因数分解を終えてよいか?
終えてはいけない。 まで
かっこの中がまだ因数分解できるなら続ける。これ以上分けられないところまでが因数分解。
5. 式の計算の利用
根拠: 学習指導要領 中3-A-(2)-ア-(イ)
展開や因数分解は、数の計算を楽にしたり、数の性質を文字式で説明したりするのに使えます。
を乗法公式で工夫して計算するには?
として
きりのよい数との差に分けて、差の 2 乗の公式を使う。
を工夫して計算するには?
として
を数に当てはめる。
練習問題
問 1 を因数分解せよ。
方針 まず共通因数があるかを見る。3 つの項に共通する数や文字はない。次に形を見ると の形なので、かけて 、たして になる 2 数を探す。
- 積が (負の数)なので、2 数は正の数と負の数の組になる。
- かけて になる組を書き出して、和を調べる。
| 2 数 | 和 |
|---|---|
| と | |
| と | |
| と | |
| と |
- 和が になるのは、 と の組。
- この 2 数を に入れて、
確かめ:展開すると で、まとめると にもどる。
問 2 を因数分解せよ。
方針 と 、 と に共通因数はない。項が 2 つで、間がひき算、どちらも「何かの 2 乗」に直せそうなので、 の形をねらう。
- 前の項を 2 乗の形に直す。 なので、
- うしろの項を 2 乗の形に直す。 なので、
- 式は と書ける。
- 公式の のところに 、 のところに を入れて、
ここで間違えやすい としてしまう。かっこに入るのは、2 乗する前の と 。
問 3 を因数分解せよ。
方針 因数分解は、まず共通因数から。係数の 、、 はどれも で割れるので、 をくくり出す。そのあと、かっこの中が公式の形かを見る。
- 各項を との積に直す。、、
- 共通因数の をくくり出す。
- かっこの中を見る。うしろの項は 、真ん中の項は なので、 の形(、)になっている。
- かっこの中は になるので、
ここで間違えやすい で止めてしまう。かっこの中がまだ因数分解できるなら、最後まで続ける。
問 4 を工夫して計算せよ。
方針 は より 大きく、 は より 小さい。同じ 2 数の和と差の積になるので、 を使うと、2 乗のひき算だけですむ。
- きりのよい を使って表す。、
- 和と差の積の公式を使う。
- それぞれ 2 乗する。、
- ひき算をして、
問 5 のとき、 の値を求めよ。
方針 をそのまま代入すると、 の計算が大変になる。先に式を因数分解して、かんたんな形にしてから代入する。
- 式の形を見る。うしろの項は 、真ん中の項は なので、 の形(、)になっている。
- 因数分解すると、
- を代入する。かっこの中は
- なので、値は
問 6 連続する 2 つの奇数の積に 1 を加えると、偶数の 2 乗になることを説明せよ。
説明の例
方針 「どんな奇数でも成り立つ」ことを言うので、数ではなく文字で表す。偶数は「2 × 整数」と書けるので、最後の式を「(2 × 整数)の 2 乗」の形にできれば、偶数の 2 乗だと言える。
- を整数として、連続する 2 つの奇数を 、 と表す。(偶数 の、1 つ前と 1 つ後ろ)
- その積に 1 を加えた式を書く。
- 積のところは、和と差の積の公式で展開する。 なので、
- これに 1 を加える。
- 2 乗の形に直す。
- は整数だから、 は偶数。したがって、連続する 2 つの奇数の積に 1 を加えると、偶数の 2 乗になる。
ここで間違えやすい 2 つの奇数を 、 と表してしまう。これでは が偶数のこともあるので、奇数を表したことにならない。