合同と三角形の合同条件
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 2 学年 B 図形 (2) 図形の合同 ア (ア)「平面図形の合同の意味及び三角形の合同条件について理解すること」。
0. 何を押さえるか
2 つの図形が、ずらしたり回したり裏返したり(移動)してぴったり重なるとき、2 つの図形は合同であるといいます。
合同な図形では、重なり合う辺・角(対応する辺・角)がそれぞれ等しくなります。
三角形の場合は、辺と角の 6 つ全部を調べなくても、決まった 3 つが等しければ合同だと言えます。これが三角形の合同条件です。
| 三角形の合同条件 | 等しいもの |
|---|---|
| 3 組の辺 | 3 組の辺がそれぞれ等しい |
| 2 組の辺とその間の角 | 2 組の辺と、その間の角がそれぞれ等しい |
| 1 組の辺とその両端の角 | 1 組の辺と、その両端の角がそれぞれ等しい |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 「間の」「両端の」を落とすと、合同とは言えない
- 3 組の角が等しいだけでは合同とは限らない(形は同じでも大きさが違ってよい)
- 記号 ≡ で書くときは、対応する頂点を同じ順に書く(△ABC ≡ △DEF なら A と D、B と E、C と F が対応)
1. 合同の意味と記号 ≡
根拠: 学習指導要領 中2-B-(2)-ア-(ア)
△ABC と △DEF が合同であることを、記号 ≡ を使って △ABC ≡ △DEF と書きます。
この書き方は、頂点の順が対応を表すので、順番をそろえて書きます。
2 つの図形が合同であるとは?
一方を移動して(ずらす・回す・裏返す)、他方にぴったり重ねられること
形も大きさも同じ。裏返して重なる場合も合同。
合同な図形について成り立つ性質は?
対応する辺の長さはそれぞれ等しく、対応する角の大きさもそれぞれ等しい
合同を示したあと、ここから「AB = DE」「∠B = ∠E」などを導くのが証明の定番。
記号 ≡ で合同を表すときの決まりは?
対応する頂点を同じ順に書く
△ABC ≡ △DEF なら、A と D、B と E、C と F が対応。辺 BC に対応するのは EF。
△ABC ≡ △PQR のとき、∠C に対応する角と、辺 AB に対応する辺は?
∠R、辺 PQ
3 番めの頂点どうしが対応する。辺は頂点 2 つの組で対応を読む。
2. 三角形の合同条件
根拠: 学習指導要領 中2-B-(2)-ア-(ア)
2 つの三角形は、次のどれかが成り立てば合同です。
- 3 組の辺がそれぞれ等しい
- 2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
- 1 組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい
三角形の合同条件を 3 つ答えよ。
3 組の辺がそれぞれ等しい/2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しい/1 組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい
どれも、3 つの要素で三角形の形と大きさが 1 つに決まる組み合わせ。
「2 組の辺と 1 つの角がそれぞれ等しい」だけでは、なぜ合同と言えないか?
角が 2 辺の間になければ、三角形が 1 つに決まらないことがあるから
等しい角が 2 辺にはさまれていないと、形の違う三角形が 2 通りできる場合がある。
「1 組の辺とその両端の角」の条件で、「両端の」を落とすと、なぜ合同と言えないか?
等しい辺が、2 つの三角形で対応する位置の辺とは限らないから
角が 2 組等しい三角形は形が同じ。そこで長さの等しい辺が、一方では最も短い辺、他方では最も長い辺ということがあり、大きさが違ってしまう。
1 組の辺と、その両端でない角をふくむ 2 組の角が等しいとき、合同を示すにはどうするか?
内角の和 180° から残りの角を求め、その辺の両端の角が等しいことを言ってから条件を使う
2 組の角が等しければ、残りの 1 組の角も等しい。
3 組の角がそれぞれ等しい 2 つの三角形は、合同か?
合同とは限らない
形は同じでも大きさが違ってよい(拡大・縮小した三角形)。辺の条件が 1 つは要る。
AB = DE、BC = EF、∠A = ∠D の △ABC と △DEF は、合同と言えるか?
言えない(この条件だけでは)
∠A は辺 AB と AC の間の角で、AB と BC の間の角(∠B)ではない。「間の角」になっていない。
3. 直角三角形の合同条件
根拠: 学習指導要領 中2-B-(2)-ア-(ア)
直角三角形では、直角の向かいにある辺を斜辺といいます。
直角が等しいことが初めから分かっているので、次の 2 つでも合同が言えます。
- 斜辺と 1 つの鋭角がそれぞれ等しい
- 斜辺と他の 1 辺がそれぞれ等しい
直角三角形の合同条件を 2 つ答えよ。
斜辺と 1 つの鋭角がそれぞれ等しい/斜辺と他の 1 辺がそれぞれ等しい
どちらも斜辺が等しいことが入る。直角三角形であることを必ず先に言う。
直角三角形の斜辺とは?
直角の向かいにある辺
直角三角形でいちばん長い辺。合同条件はどちらも斜辺が等しいことから始まる。
練習問題
問 1 △ABC ≡ △DEF で、AB = 5 cm、BC = 7 cm、∠B = 40°、∠C = 60° である。辺 EF の長さと ∠D の大きさを求めよ。
EF = 7 cm、∠D = 80°
方針 △ABC ≡ △DEF という書き方は、頂点の順が対応を表す。合同な図形では、対応する辺・角が等しいので、EF に対応する辺と、∠D に対応する角を △ABC の中から探す。
- 頂点の対応を読む。同じ順の頂点どうしなので、A と D、B と E、C と F が対応する。
- 辺 EF の両はしの E、F に対応するのは B、C。だから、EF に対応する辺は BC。
- 対応する辺は等しいので、EF = BC = 7 cm。
- ∠D に対応する角は ∠A。∠A は問題に書かれていないので、△ABC の内角の和 180° から求める。
- 180° から ∠B と ∠C をひく。∠A は
- 対応する角は等しいので、∠D = ∠A = 80°。
ここで間違えやすい AB = 5 cm はこの問題では使わない。AB に対応する辺は DE で、EF ではない。
問 2 次の 2 つの三角形は合同か。合同なら、使った合同条件を答えよ。
△ABC で AB = 4 cm、∠A = 50°、∠B = 70°。△DEF で DE = 4 cm、∠D = 50°、∠E = 70°。
△ABC で AB = 4 cm、∠A = 50°、∠B = 70°。△DEF で DE = 4 cm、∠D = 50°、∠E = 70°。
合同。1 組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい
方針 等しいと分かっているのは、辺が 1 組と角が 2 組。この組み合わせで使えそうなのは「1 組の辺とその両端の角」なので、等しい 2 つの角が、等しい辺の両端にあるかを確かめる。
- 等しいものを並べる。AB = DE(どちらも 4 cm)、∠A = ∠D(どちらも 50°)、∠B = ∠E(どちらも 70°)。
- △ABC で、辺 AB の両はしの頂点は A と B。だから、辺 AB の両端の角は ∠A と ∠B。
- △DEF で、辺 DE の両はしの頂点は D と E。だから、辺 DE の両端の角は ∠D と ∠E。
- どちらの三角形でも、等しい角は等しい辺の両端にある。1 組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、△ABC ≡ △DEF。
問 3 次の 2 つの三角形は合同と言えるか。
△ABC で ∠A = 30°、∠B = 60°、∠C = 90°。△DEF で ∠D = 30°、∠E = 60°、∠F = 90°。
△ABC で ∠A = 30°、∠B = 60°、∠C = 90°。△DEF で ∠D = 30°、∠E = 60°、∠F = 90°。
言えない
方針 三角形の合同条件は 3 つとも、辺が少なくとも 1 組等しいことをふくんでいる。だから、等しいと分かっているものの中に辺があるかを確かめる。
- 等しいものを並べる。∠A = ∠D、∠B = ∠E、∠C = ∠F で、3 組の角が等しい。
- 辺の長さは、どちらの三角形も 1 つも分かっていない。
- 合同条件はどれも、辺が 1 組以上等しくないと使えない。だから、どの条件にも当てはまらない。
- 実際に、角が 30°、60°、90° の三角定規と、それを 2 倍に拡大した三角形は、3 組の角が等しいのに大きさが違い、重ならない。合同とは言えない。
ここで間違えやすい 3 組の角が等しいと、形は同じになる。しかし合同は「形も大きさも同じ」なので、角だけでは足りない。
問 4 線分 AB と CD が点 O で交わり、AO = BO、CO = DO である。△AOC と合同な三角形と、使う合同条件を答えよ。
△BOD。2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
方針 2 本の線分が O で交わると、O をはさんで向かい合う 2 つの三角形 △AOC と △BOD ができる。辺が 2 組等しいと分かっているので、その間の角が等しいと言えれば、合同条件が使える。
- △AOC の辺は AO、CO、AC。仮定の AO = BO、CO = DO から、相手は BO と DO を辺にもつ △BOD だと見当をつける。
- 仮定から、AO = BO。
- 仮定から、CO = DO。
- ∠AOC と ∠BOD は、線分 AB と CD が交わってできる向かい合った角(対頂角)なので、等しい。
- ∠AOC は辺 AO と CO の間の角、∠BOD は辺 BO と DO の間の角になっている。
- 2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、△AOC ≡ △BOD。
ここで間違えやすい 頂点は対応する順に書く。A と B、O と O、C と D が対応するので、△AOC の相手は △BOD(△DOB ではない)。
問 5 ∠C = ∠F = 90° の直角三角形 ABC と DEF で、AB = DE、BC = EF である。この 2 つは合同か。合同なら条件を答えよ。
合同。直角三角形の斜辺と他の 1 辺がそれぞれ等しい
方針 どちらも直角三角形なので、直角三角形の合同条件が使えないかを考える。この条件はどちらも「斜辺が等しい」ことから始まるので、等しい辺の中に斜辺(直角の向かいの辺)があるかを確かめる。
- △ABC の直角は ∠C。その向かいの辺 AB が斜辺。
- △DEF の直角は ∠F。その向かいの辺 DE が斜辺。
- 仮定の AB = DE は、斜辺が等しいことを表している。
- 仮定の BC = EF は、斜辺でない他の 1 辺が等しいことを表している。
- 直角三角形の斜辺と他の 1 辺がそれぞれ等しいので、△ABC ≡ △DEF。
ここで間違えやすい ∠C は辺 AB と BC の間の角ではないので、「2 組の辺とその間の角」は使えない。直角三角形だと先に言うから、この条件が使える。