みならいノート

中学数学 2027年度版

三角形と四角形の性質

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 第 2 学年 B 図形 (2) 図形の合同 ア (イ)「証明の必要性と意味及びその方法について理解すること」。
内容の取扱い (1) の「正方形,ひし形及び長方形が平行四辺形の特別な形であること」もここで扱います。

0. 何を押さえるか

二等辺三角形や平行四辺形の性質は、小学校では「測ってみるとそうなっている」ものでした。
中 2 では、定義から出発して、三角形の合同条件を使って証明された性質(定理)として整理し直します。
ここで、定義と定理を区別して覚えることが大切になります。

図形 定義(意味を決めたもの) 主な性質(証明できること)
二等辺三角形 2 つの辺が等しい三角形 底角は等しい/頂角の二等分線は底辺を垂直に 2 等分する
正三角形 3 つの辺が等しい三角形 3 つの角は等しい(どれも 60°)
平行四辺形 2 組の向かい合う辺がそれぞれ平行な四角形 2 組の対辺・2 組の対角がそれぞれ等しい/対角線はそれぞれの中点で交わる
長方形 4 つの角が等しい四角形 対角線の長さが等しい
ひし形 4 つの辺が等しい四角形 対角線が垂直に交わる
正方形 4 つの角が等しく、4 つの辺が等しい四角形 対角線の長さが等しく、垂直に交わる

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 二等辺三角形

根拠: 学習指導要領 中2-B-(2)-ア-(イ)

二等辺三角形 ABC(AB = AC)で、等しい 2 辺の間の角 ∠A を頂角、BC を底辺、底辺の両端の角 ∠B・∠C を底角といいます。
頂角の二等分線を引いてできる 2 つの三角形は、2 組の辺とその間の角が等しいので合同で、そこから底角が等しいことが言えます。

二等辺三角形の定義は?

2 つの辺が等しい三角形

「底角が等しい」は定義ではなく、定義から証明される性質(定理)。

二等辺三角形の性質(定理)を 2 つ答えよ。

底角は等しい/頂角の二等分線は、底辺を垂直に 2 等分する

どちらも、頂角の二等分線で分けた 2 つの三角形が合同であることから導く。

三角形が二等辺三角形になるための条件は?

2 つの角が等しい三角形は二等辺三角形である

「二等辺三角形の底角は等しい」の逆。この逆は正しい。等しい 2 角の向かいの辺が等しくなる。

正三角形の定義と、その角の性質は?

定義は 3 つの辺が等しい三角形。3 つの角は等しく、どれも 60°

正三角形は二等辺三角形の特別な形なので、どの 2 辺を見ても底角が等しくなる。

2. 平行四辺形の定義と性質

根拠: 学習指導要領 中2-B-(2)-ア-(イ)

平行四辺形 ABCD の対角線 AC を引くと、平行線の錯角を使って △ABC ≡ △CDA が言えます。
ここから、向かい合う辺・角が等しいことが分かります。

平行四辺形の定義は?

2 組の向かい合う辺が、それぞれ平行な四角形

「対辺が等しい」は定義ではなく性質。記号では AB ∥ DC、AD ∥ BC。

平行四辺形の性質を 3 つ答えよ。

2 組の対辺はそれぞれ等しい/2 組の対角はそれぞれ等しい/対角線はそれぞれの中点で交わる

対角線は長さが等しいとは限らない(等しいのは長方形)。

3. 平行四辺形になるための条件

根拠: 学習指導要領 中2-B-(2)-ア-(イ)

四角形が次のどれかを満たせば、平行四辺形です。1 つめは定義、2〜4 は性質の逆です。

  1. 2 組の対辺がそれぞれ平行である(定義)
  2. 2 組の対辺がそれぞれ等しい
  3. 2 組の対角がそれぞれ等しい
  4. 対角線がそれぞれの中点で交わる
  5. 1 組の対辺が平行で、その長さが等しい

平行四辺形になるための条件を 5 つ答えよ。

2 組の対辺がそれぞれ平行/2 組の対辺がそれぞれ等しい/2 組の対角がそれぞれ等しい/対角線がそれぞれの中点で交わる/1 組の対辺が平行でその長さが等しい

最後の 1 つだけは「2 組」でなく「1 組」で、平行かつ等しいの両方が要る。

「1 組の対辺が等しく、もう 1 組の対辺が平行」な四角形は、必ず平行四辺形か?

必ずとは言えない

等しい辺と平行な辺が同じ 1 組でなければならない。平行な 1 組の辺が等しいなら平行四辺形になる。

4. 長方形・ひし形・正方形

根拠: 学習指導要領 中2-B-(2)-ア-(イ)

長方形・ひし形・正方形は、どれも平行四辺形の特別な形です。4 つの角が等しい四角形は、2 組の対角がそれぞれ等しいので平行四辺形になるからです。
そのため、平行四辺形の性質(対辺・対角が等しい、対角線が中点で交わる)をすべて持ち、さらにそれぞれの対角線の性質があります。

長方形・ひし形・正方形の定義は?

長方形は 4 つの角が等しい四角形、ひし形は 4 つの辺が等しい四角形、正方形は 4 つの角が等しく 4 つの辺が等しい四角形

正方形は、長方形でもあり、ひし形でもある。

長方形・ひし形・正方形が、平行四辺形の特別な形と言えるのはなぜか?

どれも平行四辺形になるための条件を満たすから

4 つの角が等しければ 2 組の対角が等しい。4 つの辺が等しければ 2 組の対辺が等しい。

長方形・ひし形・正方形の対角線の性質の違いは?

長方形は長さが等しい、ひし形は垂直に交わる、正方形は長さが等しく垂直に交わる

どれも平行四辺形なので、対角線がそれぞれの中点で交わることは共通。

平行四辺形に、どんな条件を加えるとひし形になるか?(対角線について)

対角線が垂直に交わる

長方形にするなら「対角線の長さが等しい」または「1 つの角が直角」。

5. 平行線と面積

根拠: 学習指導要領 中2-B-(2)-ア-(イ)

底辺が共通な三角形は、高さが等しければ面積が等しくなります。
直線 AB と直線 PQ が平行なら、P と Q から AB までの距離(高さ)は等しいので、△PAB と △QAB の面積は等しいです。
これを使って、面積を変えずに形を変えることを等積変形といいます。

PQ ∥ AB のとき、△PAB と △QAB の面積はどうなるか? また、その理由は?

等しい

底辺 AB が共通で、平行線の間の距離は一定なので高さも等しいから。

等積変形とは?

面積を変えずに図形の形を変えること

平行線を引き、頂点を平行線上で動かすと、底辺と高さが変わらないので面積が保たれる。

練習問題

問 1 AB = AC の二等辺三角形 ABC で、∠A = 40° のとき、∠B を求めよ。

70°

方針 AB = AC なので、等しい 2 辺の間の ∠A が頂角、∠B と ∠C が底角。二等辺三角形の底角は等しいので、内角の和 180° から頂角をひいた残りを 2 等分する。

  1. 二等辺三角形の底角は等しいので、∠B = ∠C。
  2. 内角の和は 180° なので、∠B と ∠C の和は
  3. ∠B と ∠C は等しいので、2 でわる。∠B は

ここで間違えやすい 40° が頂角か底角かを、等しい辺から先に決める。等しい辺 AB、AC の間にあるのが頂角なので、∠A は頂角。

問 2 平行四辺形 ABCD で ∠A = 110° のとき、∠B と ∠C を求めよ。

∠B = 70°、∠C = 110°

方針 ∠C は ∠A の向かいの角(対角)なので、平行四辺形の性質「対角は等しい」を使う。∠B は ∠A のとなりの角なので、平行線の間にできる 2 つの角の和が 180° になることを使う。

  1. ∠C は ∠A の対角。平行四辺形の対角は等しいので、∠C = ∠A = 110°。
  2. ∠A と ∠B は、平行な AD と BC に直線 AB が交わってできる、内側で同じ側にある角(同側内角)。だから、2 つの和は 180°。
  3. 180° から ∠A をひく。∠B は
  4. 確かめ。∠D は ∠B の対角なので 70°。4 つの角の和は で、四角形の内角の和になっている。

問 3 AB = AC の二等辺三角形 ABC で、∠A の二等分線と辺 BC の交点を D とする。∠B = ∠C であることを証明せよ。

証明の例

方針 二等分線 AD で分けると、∠B は △ABD の角、∠C は △ACD の角になる。そこで、この 2 つの三角形が合同であることを示し、「合同な図形の対応する角は等しい」から ∠B = ∠C を言う。等しい辺が 2 組(AB と AC、共通な AD)と、その間の角(二等分された ∠A)があるので、「2 組の辺とその間の角」を使う。

  1. 比べる 2 つの三角形を書く。「△ABD と △ACD において、」
  2. 仮定から AB = AC …①
  3. AD は ∠A の二等分線だから ∠BAD = ∠CAD …②
  4. 共通な辺だから AD = AD …③
  5. ①、②、③より、2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので △ABD ≡ △ACD
  6. 合同な図形の対応する角は等しいので ∠B = ∠C(これが結論)

ここで間違えやすい 「二等辺三角形の底角は等しいから」と書いてはいけない。それは、いま示したいことそのものである。

問 4 平行四辺形 ABCD の対角線の交点を O とする。AO = CO であることを証明せよ。

証明の例

方針 AO は △AOB の辺、CO は △COD の辺。そこで、この 2 つの三角形が合同であることを示し、「合同な図形の対応する辺は等しい」から AO = CO を言う。等しいと言える辺は AB と CD の 1 組だけなので、その両端の角を平行線の錯角で示して、「1 組の辺とその両端の角」を使う。

  1. 比べる 2 つの三角形を書く。「△AOB と △COD において、」
  2. 平行四辺形の対辺は等しいから AB = CD …①
  3. AB ∥ DC で、直線 AC が交わってできる錯角は等しいから ∠OAB = ∠OCD …②
  4. AB ∥ DC で、直線 BD が交わってできる錯角は等しいから ∠OBA = ∠ODC …③
  5. ①、②、③より、1 組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので △AOB ≡ △COD
  6. 合同な図形の対応する辺は等しいので AO = CO(これが結論)

ここで間違えやすい 「平行四辺形の対角線はそれぞれの中点で交わるから」と書いてはいけない。それは、いま示したいことそのものである。また、対頂角の ∠AOB = ∠COD も等しいが、辺 AB の両端の角ではないので、この合同条件では使わない。

問 5 次の四角形 ABCD のうち、必ず平行四辺形になるものをすべて選べ。
 ア AB = DC、AD = BC イ AB ∥ DC、AB = DC ウ AB ∥ DC、AD = BC エ ∠A = ∠C、∠B = ∠D

ア、イ、エ

方針 平行四辺形になるための 5 つの条件と、1 つずつ照らし合わせる。四角形 ABCD では、AB と DC、AD と BC が向かい合う辺(対辺)、∠A と ∠C、∠B と ∠D が向かい合う角(対角)であることを先に押さえる。

  1. アを見る。AB = DC、AD = BC は、2 組の対辺がそれぞれ等しい。条件に当てはまるので、平行四辺形になる。
  2. イを見る。AB ∥ DC、AB = DC は、同じ 1 組の対辺が平行で、その長さが等しい。条件に当てはまるので、平行四辺形になる。
  3. ウを見る。平行なのは AB と DC、等しいのは AD と BC で、別の組になっている。どの条件にも当てはまらない。
  4. ウの条件では、平行四辺形でない台形(等脚台形)もありうる。だから、必ず平行四辺形になるとは言えない。
  5. エを見る。∠A = ∠C、∠B = ∠D は、2 組の対角がそれぞれ等しい。条件に当てはまるので、平行四辺形になる。
  6. 必ず平行四辺形になるのは、ア、イ、エ。

ここで間違えやすい 「1 組の対辺が平行でその長さが等しい」は、平行な辺と等しい辺が同じ組のときだけ使える。イとウの違いはここにある。

問 6 AD ∥ BC の台形 ABCD で、対角線 AC と BD を引く。△ABC と面積が等しい三角形を 1 つ答えよ。

△DBC

方針 底辺が共通で、高さが等しい三角形は、面積が等しい。△ABC の辺のうち、平行線の上にある BC を底辺と見る。すると、頂点 A をもう一方の平行線 AD の上で動かしても、高さは変わらない。

  1. △ABC の底辺を BC と見る。高さは、頂点 A から直線 BC までの距離。
  2. AD ∥ BC なので、平行線の間の距離は一定。D から直線 BC までの距離は、A からの距離と等しい。
  3. 底辺を BC のままにして、頂点を A から D にかえた三角形は △DBC。
  4. △ABC と △DBC は、底辺 BC が共通で高さも等しいので、面積が等しい。

このノートの 14 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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