一次関数
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 2 学年 C 関数 (1) 一次関数 ア (ア)「一次関数について理解すること」と
(イ)「事象の中には一次関数として捉えられるものがあることを知ること」。
0. 何を押さえるか
が の一次式 で表されるとき、 は の一次関数です。
中 1 で学んだ比例 は、 の特別な場合にあたります。
| 言葉 | 意味 | では |
|---|---|---|
| 変化の割合 | の増加量 ÷ の増加量 | いつも |
| 傾き | グラフの直線の傾きぐあい。 の値 | |
| 切片 | グラフが 軸と交わる点の 座標。 の値 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 一次関数の変化の割合は一定で、 に等しい( をどこからどこまで増やしても同じ)
- の符号で向きが決まる( なら右上がり、 なら右下がり)
- 比例は一次関数の仲間( の場合)。逆に、反比例は一次関数ではない
1. 一次関数の式
根拠: 学習指導要領 中2-C-(1)-ア-(ア)
の は「 に比例する部分」、 は「 に関係なく決まった数」です。
一次関数は、比例の式に定数を足した形と見ることができます。
が の一次関数であるとは、 がどんな式で表されることか?
(、 は定数、)
が の一次式で表される、ということ。
比例 は、一次関数 のどんな場合か?
の場合
比例は一次関数の特別な場合。グラフは原点を通る。
2. 変化の割合
根拠: 学習指導要領 中2-C-(1)-ア-(ア)
の値が増えたとき、 がどれだけ増えるかの割合を変化の割合といいます。
一次関数では、 をどの値からどの値まで増やしても、変化の割合は同じになります。
変化の割合を求める式は?
変化の割合 = の増加量 ÷ の増加量
の増加量を分母にする。逆にしない。
一次関数 の変化の割合は?
一定で、 に等しい
が 1 増えるごとに は ずつ増える。
一次関数 で、 の増加量が のとき、 の増加量は?
の増加量 = 変化の割合 × の増加量。
反比例 の変化の割合は、一次関数と同じように一定か?
一定ではない
変化の割合が一定なのは一次関数(比例を含む)だけ。どの区間をとるかで値が変わる。
3. グラフ(傾きと切片)
根拠: 学習指導要領 中2-C-(1)-ア-(ア)
のグラフは、 のグラフを 軸の正の向きに だけ平行移動した直線です。
を傾き、 を切片といいます。
のグラフの傾きと切片は、それぞれ何か?
傾きは 、切片は
切片は、グラフが 軸と交わる点 の 座標。
のグラフが右上がりになるか右下がりになるかは、何で決まるか?
の符号( なら右上がり、 なら右下がり)
はグラフの上下の位置を決めるだけで、向きには関係しない。
2 つの一次関数のグラフが平行になるのは、どんなときか?
傾きが等しいとき(切片は異なる)
傾きも切片も等しければ、同じ直線になる。
4. 式の求め方
根拠: 学習指導要領 中2-C-(1)-ア-(ア)
直線の式は、傾きと切片が分かれば決まります。分からないほうを、通る点の座標から求めます。
傾き と、通る 1 点の座標が分かっているとき、直線の式はどう求めるか?
に点の座標を代入して、 を求める
未知数は だけなので、1 点で決まる。
通る 2 点 、 が分かっているとき、まず何を求めるか?
傾き
2 点間の変化の割合がそのまま傾き。そのあと 1 点を代入して切片を求める。
5. 事象の中の一次関数
根拠: 学習指導要領 中2-C-(1)-ア-(イ)
「一定の割合で増える・減る量」は、一次関数として捉えられます。
水そうに一定の割合で水を入れるときの水の量、ばねにつるすおもりの重さとばねの長さ、
基本料金と使った量に応じた料金の合計などがその例です。
ばねの長さ cm が、おもりの重さ g の一次関数 で表されるとき、 は何を表すか?
おもりをつるさないときのばねの長さ
のときの の値。 は 1 g あたりののび。
「基本料金 + 使った量に比例する料金」で決まる料金は、使った量の何の関数か?
一次関数(切片が基本料金、傾きが 1 単位あたりの料金)
基本料金が 0 なら比例になる。
練習問題
問 1 一次関数 で、 の値が 2 から 6 まで増加するときの変化の割合と、 の増加量を求めよ。
変化の割合は 3、 の増加量は 12
方針 一次関数 の変化の割合は、 がどこからどこまで増えても、いつも (傾き)に等しい。 の増加量は「変化の割合 × の増加量」で求める。
- の は 3 なので、変化の割合は 3。
- の増加量を求める。2 から 6 まで増えるので、
- の増加量は、変化の割合に の増加量をかける。
- 確かめる。 のとき 、 のとき 。差は で合う。
ここで間違えやすい の増加量を 6 としない。「6 まで」増えるのであって、「6 だけ」増えるのではない。
問 2 傾きが で、点 を通る直線の式を求めよ。
方針 直線の式は で、傾き と切片 が分かれば決まる。傾きは と分かっているので、分からないのは だけ。通る点の座標を代入して を求める。
- 傾きが なので、式を とおく。
- 点 を通るので、、 を代入する。
- かけ算をする。 なので、
- を左辺へ移項する。 なので、
- だから、直線の式は
- 確かめる。 のとき で、点 を通る。
ここで間違えやすい と を逆に入れない。点 は、前の 3 が 、うしろの 1 が 。
問 3 2 点 、 を通る直線の式を求めよ。
方針 2 点が分かっているときは、まず傾きを求める。傾きは「 の増加量 ÷ の増加量」。そのあと 1 点を代入して切片を求める。
- の増加量は 、 の増加量は
- 傾きを求める。
- 傾きが 3 なので、式を とおく。
- 点 を通るので、、 を代入する。 なので、
- 3 を左辺へ移項する。 なので、
- だから、直線の式は
- もう 1 つの点で確かめる。 のとき で、点 も通る。
に 2 点を代入して、、 の連立方程式を解いてもよい。下の式から上の式をひくと で 、 となり、同じ式になる。
ここで間違えやすい 傾きの分数は、分子が の増加量、分母が の増加量。上下を逆にして としない。
問 4 あるばねに 20 g のおもりをつるすと長さは 14 cm、50 g のおもりをつるすと 17 cm になった。ばねの長さはおもりの重さの一次関数であるとして、80 g のおもりをつるしたときの長さを求めよ。
20 cm
方針 「一次関数である」と書いてあるので、おもりの重さを g、ばねの長さを cm として とおける。分かっている 2 組の値から式を求め、その式に を代入する。
- g のおもりで長さが cm とする。分かっているのは、 のとき 、 のとき 。
- 傾きを求める。(1 g あたり 0.1 cm のびる)
- 式を とおき、、 を代入する。
- なので、。2 を移項して、
- だから、式は
- を代入する。 なので、20 cm。
ここで間違えやすい 20 g で 14 cm だから 80 g で 4 倍の 56 cm、としない。おもりをつるさなくても 12 cm あるので、長さは重さに比例しない。
問 5 水が 6 L 入っている水そうに、毎分 4 L の割合で水を入れる。 分後の水の量を L として、 を の式で表せ。また、水そうの容積が 50 L のとき、満水になるのは何分後か。
、11 分後
方針 「はじめの量」に「一定の割合で増える量」をたすので、一次関数になる。はじめの 6 L が切片、毎分 4 L が傾き。満水になる時間は、 となる を求める。
- 分間に入る水の量は、毎分 4 L なので L。
- はじめの 6 L をたして、
- 満水のとき なので、式に代入する。
- 6 を左辺へ移項する。 なので、
- 両辺を 4 でわる。。満水になるのは 11 分後。
- 確かめる。 で合う。
満水になると水はそれ以上入らないので、この式が成り立つのは の間だけ( の変域は )。