データの分布と度数分布表
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 第 1 学年 D データの活用 (1) データの分布 ア (ア)「ヒストグラムや相対度数などの必要性と意味を理解すること」と、
(イ)「コンピュータなどの情報手段を用いるなどしてデータを表やグラフに整理すること」。
0. 何を押さえるか
データを集めただけでは、どんな値が多いのか、どこに散らばっているのかが見えません。
値をいくつかの区間に分けて数えた表(度数分布表)や、それを柱で表したグラフ(ヒストグラム)に整理すると、
分布の形が見えるようになります。
次の表は、ある学級 20 人の通学時間を整理した度数分布表です。
| 通学時間(分) | 階級値 | 度数(人) | 相対度数 | 累積度数(人) | 累積相対度数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 0 以上 10 未満 | 5 | 3 | 0.15 | 3 | 0.15 |
| 10 以上 20 未満 | 15 | 8 | 0.40 | 11 | 0.55 |
| 20 以上 30 未満 | 25 | 5 | 0.25 | 16 | 0.80 |
| 30 以上 40 未満 | 35 | 4 | 0.20 | 20 | 1.00 |
| 計 | 20 | 1.00 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 相対度数は「その階級の度数 ÷ 度数の合計」(合計はいつも 1)
- 累積度数は、最初の階級からその階級までの度数の合計(その階級だけの度数ではない)
- 範囲は「最大値 − 最小値」(階級の幅のことではない)
1. 度数分布表とヒストグラム
根拠: 学習指導要領 中1-D-(1)-ア-(ア)
区切った区間を階級、区間の幅を階級の幅、各階級に入るデータの個数を度数、階級の真ん中の値を階級値といいます。
上の表なら、階級の幅は 10 分、「10 以上 20 未満」の階級値は 15 分、度数は 8 人です。
度数分布表の「階級」「階級の幅」「度数」とは、それぞれ何か?
階級はデータを分けた区間、階級の幅はその区間の幅、度数は各階級に入るデータの個数
「10 以上 20 未満」なら、階級の幅は 。
階級値とは何か?
階級の真ん中の値
「10 以上 20 未満」の階級値は 。
ヒストグラムとは、どんなグラフか?
階級の幅を横、度数を縦とする長方形(柱)を、すき間なく並べたグラフ
柱状グラフともいう。データの分布の形(山の位置や広がり)がひと目で分かる。
度数折れ線(度数分布多角形)は、どうかくか?
ヒストグラムの各長方形の上の辺の中点を結ぶ。両端には度数 0 の階級があるものとして、横軸まで結ぶ
いくつかの分布を 1 つのグラフに重ねて比べるときに使いやすい。
2. 相対度数と累積度数
根拠: 学習指導要領 中1-D-(1)-ア-(ア)
度数の合計がちがう 2 つの集団を比べるとき、度数のままでは比べられません。全体に対する割合に直したものが相対度数です。
相対度数の求め方は?
その階級の度数 ÷ 度数の合計
全体の中でその階級がしめる割合。相対度数の合計は 1 になる。
2 つの集団の分布を比べるとき、度数でなく相対度数を使うのはなぜか?
度数の合計(人数)がちがうと、度数のままでは多い少ないを比べられないから
20 人中 8 人と 50 人中 8 人は、同じ 8 人でも割合がちがう。
累積度数とは何か?
最初の階級から、ある階級までの度数を合計したもの
「20 分未満の人は何人か」のように、ある値未満(以下)の個数がすぐ分かる。
累積相対度数とは何か? 最後の階級では、いくつになるか。
最初の階級から、ある階級までの相対度数を合計したもの。最後の階級では 1
累積度数 ÷ 度数の合計 でも求められる。
3. 範囲と代表値
根拠: 学習指導要領 中1-D-(1)-ア-(ア)
データの散らばりの程度を表す値の 1 つが範囲(レンジ)です。
データ全体の特徴を 1 つの数で表す値を代表値といい、平均値・中央値・最頻値があります(小学校の復習)。
データの範囲(レンジ)の求め方は?
最大値 − 最小値
散らばりの程度を表す。ただし、極端にかけ離れた値が 1 つあるだけで大きくなる。
中央値(メジアン)とは何か? データの個数が偶数のときはどうするか。
データを大きさの順に並べたときの真ん中の値。個数が偶数なら、真ん中の 2 つの値の平均
極端な値があっても影響を受けにくい。
度数分布表で最頻値(モード)はどう決めるか?
度数がもっとも多い階級の階級値
上の通学時間の表なら、度数 8 の「10 以上 20 未満」の階級値 15 分。
4. 表やグラフに整理する
根拠: 学習指導要領 中1-D-(1)-ア-(イ)
データの数が多いときは、コンピュータの表計算ソフトや統計ソフトを使って、度数分布表やヒストグラムを作ります。
階級の幅を変えると、ヒストグラムの形が変わって見えることがあるので、いくつかの幅で作って確かめることが大切です。
同じデータでも、ヒストグラムの見え方が変わるのは、何を変えたときか?
階級の幅(区切り方)
幅が広すぎると細かい特徴が消え、狭すぎると凸凹が目立つ。コンピュータなら幅を変えて何通りも作れる。
度数分布表から平均値を求めるには、どう計算するか?
(階級値 × 度数)の合計 ÷ 度数の合計
各階級のデータを、すべてその階級値だと見なして計算する。もとのデータの平均値とは少しずれることがある。
練習問題
問 1 上の通学時間の度数分布表について、次の問いに答えよ。
(1)「20 以上 30 未満」の階級の相対度数を求めよ。
(2)通学時間が 30 分未満の生徒は何人か。
(1)「20 以上 30 未満」の階級の相対度数を求めよ。
(2)通学時間が 30 分未満の生徒は何人か。
(1)0.25 (2)16 人
方針 (1)相対度数は「その階級の度数 ÷ 度数の合計」で求める。(2)「30 分未満」には、最初の階級(0 以上 10 未満)から「20 以上 30 未満」の階級までが全部入る。つまり累積度数を求める。
- (1)表から、「20 以上 30 未満」の階級の度数は 5 人、度数の合計は 20 人。
- 度数を合計でわる。
- (2)30 分未満に入るのは、「0 以上 10 未満」「10 以上 20 未満」「20 以上 30 未満」の 3 つの階級。
- 3 つの階級の度数を足す。(人)
ここで間違えやすい (2)で「20 以上 30 未満」の 5 人だけを答えない。30 分未満には、それより短い人も全員入る。
問 2 上の通学時間の度数分布表から、平均値を求めよ。
20 分
方針 度数分布表では、1 人 1 人の通学時間は分からない。そこで、各階級の人は全員その階級値だったと見なす。「階級値 × 度数」で階級ごとの合計を出し、全部足してから人数でわる。
- 階級ごとに「階級値 × 度数」を計算する。、、、
- 4 つを足して、全員の通学時間の合計を出す。
- 度数の合計 20 人でわる。(分)
1 つの式にまとめると、。
ここで間違えやすい わる数は度数の合計の 20。階級の数の 4 ではない。また、階級値に度数を掛けるのを忘れない。
問 3 上の通学時間の度数分布表で、中央値はどの階級に入るか。
10 分以上 20 分未満の階級
方針 中央値は、データを小さい順に並べたときの真ん中の値。20 人は偶数なので、真ん中は 2 人いる。その 2 人が小さいほうから何番目かを決め、累積度数を使ってどの階級に入るかを調べる。
- 真ん中の 2 人を決める。 なので、小さいほうから 10 番目と 11 番目。中央値はこの 2 人の平均。
- 「0 以上 10 未満」の累積度数は 3 人。1 番目から 3 番目までがこの階級に入る。
- 「10 以上 20 未満」の累積度数は 11 人。4 番目から 11 番目までがこの階級に入る。
- 10 番目も 11 番目も「10 以上 20 未満」の階級に入るので、中央値もこの階級に入る。
ここで間違えやすい 中央値は「真ん中の階級」ではない。階級は 4 つあるが、人数で数えて真ん中の人を探す。
問 4 次のデータの範囲を求めよ。 12, 7, 19, 3, 15(点)
16 点
方針 範囲は「最大値 − 最小値」で求める。データがばらばらに並んでいるので、まず小さい順に並べかえて、最大値と最小値を見つける。
- 小さい順に並べる。3、7、12、15、19
- いちばん大きい値(最大値)は 19、いちばん小さい値(最小値)は 3。
- 最大値から最小値をひく。(点)
ここで間違えやすい 並んでいる順の最初と最後(12 と 15)を使わない。必ず最大値と最小値を探す。
問 5 A 中学校の 1 年生 150 人のうち、通学時間が 20 分以上の生徒は 60 人、B 中学校の 1 年生 80 人では 36 人だった。通学時間が 20 分以上の生徒の割合が大きいのはどちらの学校か。
B 中学校
方針 2 つの学校は 1 年生の人数がちがうので、人数のままでは比べられない。「20 分以上の人数 ÷ 全体の人数」で割合(相対度数)に直してから比べる。
- A 中学校の相対度数を求める。
- B 中学校の相対度数を求める。
- より のほうが大きいので、割合が大きいのは B 中学校。
ここで間違えやすい 人数(60 人と 36 人)だけで比べると A のほうが多く、逆の結論になる。全体の人数がちがうときは割合で比べる。