生成AI利活用
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス案 Ver.0.1 の小分類 3「生成AI利活用」(大分類 2:データ・AIの利活用/中分類 10:AI利活用)。
2026-09-26 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
生成 AI を業務でどう使い、どう使うと危ないかです。仕組み(LLM・トークンなど)は
大分類 4 の「AI 技術」で扱うので、ここでは使い手の側の工夫に絞ります。
生成 AI の出力を良くする工夫は、どこに手を入れるかで 3 つに分かれます。
| 工夫 | 手を入れる場所 | 何が変わるか |
|---|---|---|
| プロンプトエンジニアリング | 指示の書き方 | 出力の内容・形式 |
| RAG による知識連携 | AI に渡す資料 | 社内情報や最新情報に基づいた回答になる |
| ランダム性の制御 | 出力のばらつきの設定 | 毎回同じような答えか、毎回違う答えか |
どれもAI そのもの(モデル)を作り直さずに結果を変える方法です。
最大の注意点は、生成 AI はもっともらしい誤り(ハルシネーション)を出すことです。
だから人が確かめる前提で使います。
1. 生成AIの活用領域及び活用目的
根拠: シラバス 2-10-3
マルチモーダル AI とは?
文章・画像・音声・動画など、複数の種類の情報をまとめて扱える AI
例:
- 写真を見せて「この機械の故障箇所は?」と文章で聞く
- 会議の音声から議事録の文章を作る
- 文章の指示から画像を作る
1 種類だけ扱う AI(シングルモーダル)と対になる。
種類をまたいで入力・出力できるのが特徴。
生成 AI の「ランダム性の制御」とは? どう使い分けるか?
同じ指示に対する出力のばらつき(毎回どれだけ違う答えを出すか)を、設定で調整すること
| ランダム性 | 出力 | 向く業務 |
|---|---|---|
| 低くする | 毎回似た、安定した答え | 定型文の作成、データの抽出、要約 |
| 高くする | 毎回違う、多様な答え | アイディアの提案、キャッチコピー案 |
生成 AI は同じ指示でも毎回同じ答えを返すとは限らないので、この調整が要る。
RAG による知識連携とは? 何がうれしいか?
質問に関係する資料を検索して取り出し、それを生成 AI に渡して回答させる仕組み(RAG:検索拡張生成)
- 学習していない社内規程や最新の情報にもとづいて答えられる
- 回答の根拠となった資料を示せるので確かめやすい
- AI を作り直す(追加学習させる)より手軽
ただし、検索で取り出した資料が古い・誤っていると、回答も誤る。
プロンプトエンジニアリングとは? 具体的な工夫を挙げよ。
生成 AI から望む出力を得られるように、指示(プロンプト)を工夫すること
| 工夫 | 例 |
|---|---|
| 役割を与える | 「あなたは経験豊富な編集者です」 |
| 目的と前提を伝える | 「新入社員向けの説明に使います」 |
| 出力の形式を指定する | 「箇条書き 3 点で」「表にして」 |
| 例を示す | 「次の例のような書き方で」 |
| 手順を分ける | 「まず要点を挙げ、次にまとめて」 |
AI を作り直すのではなく、入力の与え方で結果を変える利用者側の工夫。
生成 AI の活用例を 5 つ挙げ、それぞれの注意点を答えよ。
| 活用例 | 注意点 |
|---|---|
| 文章の添削・要約 | 要約で大事な点が抜ける・意味が変わることがある |
| アイディアの提案 | 案の良し悪しの判断は人がする |
| 静止画・動画・音声の生成 | 著作権・肖像権の侵害、偽物(ディープフェイク)と誤解される |
| 情報収集 | もっともらしい誤り(ハルシネーション)、情報が古い |
| 複数の生成AIを用いた検証 | どの AI も同じ誤りをすることがあり、最後は一次情報で確かめる |
どの使い方でも、出力をそのまま使わず人が確認する。
生成 AI を情報収集に使うときに、なぜ注意が要るか?
生成 AI は、事実でない内容をもっともらしく出すことがある(ハルシネーション)から
- 存在しない文献や数字を示すことがある
- 学習した時点より新しい情報を知らないことがある
対策:
- 回答の出典(一次情報)を自分で確かめる
- RAG などで根拠の資料を示させる
- 重要な内容は複数の情報源で裏を取る
複数の生成 AI を用いた検証とは? 限界は?
同じ質問を別々の生成 AI に投げたり、ある AI の出力を別の AI に確認させたりして、誤りを見つけやすくすること
- 答えが食い違った箇所は、誤りの可能性が高いので重点的に確かめる
限界:
- どの AI も同じ誤りをすることがある(答えが一致しても正しいとは限らない)
最後は人が一次情報で確認する、は変わらない。
生成 AI に業務で入力してはいけない情報は何か? なぜか?
社外秘の情報・個人情報・顧客から預かった情報など
- 入力した内容が、サービスによってはAI の学習に使われたり、事業者側に保存されたりする
- その結果、情報漏えいや契約違反になりうる
対策: 社内で使ってよいサービスと入力してよい情報のルールを決める、
入力を学習に使わない設定・契約のサービスを選ぶ。
生成 AI で作った文章や画像を業務で使うとき、著作権で注意すべき点は?
生成物が既存の著作物に似ていると、著作権侵害になりうる
- 既存の作品と似ていて、しかもそれをもとに作ったといえる場合に問題になる
- 「AI が作ったから」は言い訳にならない(使った人・会社が責任を負う)
対策: 公開・販売する前に既存の作品と似ていないか確かめる、
特定の作家名や作品名を指定して「〜風に」と作らせる使い方に注意する。