みならいノート

言語文化 2027年度版

推量の助動詞

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

0. どういうまとまりか

推量の助動詞は数が多く、1 つの語が何通りもの意味を持ちます。何について推し量るか(時・根拠)で整理すると混ざりません。

助動詞 推し量る対象 主な意味 訳の例
む・むず これからのこと 推量・意志・勧誘・仮定・婉曲 〜だろう・〜しよう
らむ 今、目の前に無いこと 現在推量・原因推量・伝聞婉曲 今ごろ〜ているだろう
けむ 過去のこと 過去推量・過去の原因推量・過去の伝聞婉曲 〜ただろう
べし 確信のある推量 推量・意志・可能・当然・命令・適当 〜にちがいない・〜べきだ
まし 事実に反すること 反実仮想・ためらいの意志 もし〜なら…だろうに
めり 目で見たこと 推定・婉曲 〜ようだ
なり 耳で聞いたこと 推定・伝聞 〜ようだ・〜そうだ
らし はっきりした根拠 推定 〜らしい

分かれ目は次の 3 つ。

1. 「む」「むず」

根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ

「む」(「ん」とも書く)と「むず」(「む」+「と」+「す」がつづまった形)は同じ意味を持ちます。
文末にあるときは主語の人称で、文中にあるときは下に続く語で意味を決めます。

推量の助動詞「む」の 5 つの意味は?

推量・意志・勧誘(適当)・仮定・婉曲
「〜だろう」「〜しよう」「〜するのがよい」「もし〜ならば」「〜ような」と訳す。

文末の「む」の意味を、主語の人称で見分けると?

1 人称なら意志、2 人称なら勧誘・適当、3 人称なら推量
「われ行かむ(私は行こう)」「君も行かむ(あなたも行くのがよい)」「雨降らむ(雨が降るだろう)」。

文中にある連体形の「む」(下に体言や助詞が続くもの)の意味は?

婉曲(〜ような)または仮定(もし〜ならば、その)
例:「思はむ子を法師になしたらむこそ心苦しけれ」の「思はむ子」は「かわいく思うような子」(枕草子)。

「名にし負はばいざこと問はむ都鳥」の「む」の意味は?

意志(「さあ尋ねよう」)
主語は詠み手自身(1 人称)。「いざ」があることも手がかり(伊勢物語・東下り)。

2. 「らむ」「けむ」

根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ

「らむ」は今、「けむ」は過去について推し量ります。どちらも、目の前の事実の理由を推し量る使い方(原因推量)が大事です。

「らむ」の基本の意味と訳は?

現在推量「今ごろ〜ているだろう」
目の前に無い、今どこかで起きていることを推し量る。ほかに原因推量(どうして〜のだろう)・伝聞婉曲(〜という・〜ような)。

「しづ心なく花の散るらむ」の「らむ」の意味は?

原因推量「(どうして)〜のだろう」
花が散るのは目の前の事実なので、今ごろの推量ではなく、その理由を推し量っている。「どうして落ち着いた心もなく花が散るのだろう」。

「けむ」の基本の意味と訳は?

過去推量「〜ただろう」
ほかに過去の原因推量(どうして〜たのだろう)・過去の伝聞婉曲(〜たという・〜たような)。

3. 「べし」

根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ

「べし」は、そうなるのが当たり前だという強い確信が芯にあります。そこから 6 つの意味に分かれます。

助動詞「べし」の 6 つの意味は?

推量・意志・可能・当然・命令・適当
「〜にちがいない」「〜しよう」「〜できる」「〜はずだ・〜ねばならない」「〜せよ」「〜するのがよい」。

「家の作りやうは、夏をむねとすべし」の「べし」の意味は?

適当(〜するのがよい)
「家の作り方は、夏を中心に考えるのがよい」(徒然草)。筆者が人に勧めている。

4. 「まし」

根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ

「まし」は、現実とは違うことを仮に想像する助動詞です(反実仮想)。
「もし〜ならば」の部分とセットで出てきます。疑問の語と一緒なら、迷っている気持ちを表します。

反実仮想の「まし」が作る、決まった形を挙げると?

「〜ましかば…まし」「〜せば…まし」「〜未然形+ば…まし」
「もし〜だったら、…だろうに」と訳す。実際はそうでないことを仮に想像する。

「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」を訳すと?

「世の中にまったく桜がなかったならば、春の人の心はのどかだっただろうに」
「せば〜まし」の反実仮想。実際は桜があるので、散るのが気になって落ち着かない。

「いかにせまし」のように、疑問の語と一緒に使われる「まし」の意味は?

ためらいの意志「〜しようかしら」
「どうしようかしら」。迷っている気持ちを表す。

5. 推定の「めり」「なり」「らし」

根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ

推定は、何かを根拠にして判断することです。何を根拠にするかで助動詞が変わります。

推定の「めり」と、伝聞推定の「なり」の根拠の違いは?

めり=目で見たこと(視覚)、なり=耳で聞いたこと(聴覚)
「めり」は「〜ように見える」、「なり」は「〜の音がする・〜ようだ」。「なり」は人から聞いた伝聞(〜そうだ)も表す。

「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山」の「らし」は、何を根拠に推定しているか?

山に白い衣が干してあること
「けらし」は「けるらし」がつづまった形。白い衣という目に見える根拠から「夏が来たらしい」と推定している。

このノートの 14 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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