細胞骨格と細胞の運動
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物」の内容 (2) ア (ア) ㋐「生体物質と細胞」。
内容の取扱いは「核酸や細胞骨格にも触れること」を求めている。
0. どういう論点か
細胞の形を保ち、中身を動かしているのが 細胞骨格 です。
3 種類あり、太さと担当する仕事で区別します。
| 細胞骨格 | 太さ | 単位のタンパク質 | 担当 |
|---|---|---|---|
| アクチンフィラメント | 最も細い | アクチン | 筋収縮・細胞質流動・原形質分離 |
| 中間径フィラメント | 中くらい | ケラチンなど | 形の保持・核の支持 |
| 微小管 | 最も太い | チューブリン | 紡錘糸・鞭毛と繊毛・物質の輸送路 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 細胞骨格は「骨」のように固定されていない(作られては壊され、作り替えられる)
- モータータンパク質は ATP を使って動く(レールの上を歩く)
- 鞭毛と繊毛の中身は微小管(アクチンではない)
1. 3 種類の細胞骨格
根拠: 学習指導要領 生物-(2)-ア-(ア)-㋐
細胞の形の保持や運動に関わる、細胞内の繊維状の構造をまとめて何という?
細胞骨格
タンパク質でできており、必要に応じて作られたり分解されたりする。
細胞骨格のうち、最も細いものは? その単位は?
アクチンフィラメント。単位はアクチン
筋収縮や細胞質流動に関わる。
細胞骨格のうち、最も太いものは? その単位は?
微小管。単位はチューブリン
中空の管状で、細胞分裂の紡錘糸になる。
中間径フィラメントの主な役割は?
細胞の形を保ち、核を支えること
3 つのうち最も丈夫で、力学的な支えに向く。
細胞骨格は一度できたら変化しない?
変化する。重合と脱重合を繰り返して作り替えられる
だから細胞は形を変えたり、動いたりできる。
2. 細胞骨格による運動
根拠: 学習指導要領 生物-(2)-ア-(ア)-㋐
細胞骨格の上を移動し、物質や細胞小器官を運ぶタンパク質をまとめて何という?
モータータンパク質
ATP を分解したエネルギーを使って動く。
アクチンフィラメントの上で働くモータータンパク質は?
ミオシン
筋肉の収縮や細胞質流動を起こす。
微小管の上で働くモータータンパク質を 2 つ挙げると?
キネシンとダイニン
運ぶ向きが互いに逆で、細胞内の輸送を担う。
筋収縮は、どの細胞骨格とモータータンパク質の組合せで起こる?
アクチンフィラメントとミオシン
ミオシンがアクチンをたぐり寄せることで、筋節が短くなる。
鞭毛や繊毛の内部にある構造は?
微小管(9 + 2 構造)
ダイニンが微小管どうしを滑らせることで、しなるように動く。
細胞分裂のときに染色体を引っ張る紡錘糸の正体は?
微小管
中心体から伸び、動原体に結合して染色体を移動させる。
植物細胞で、細胞質が一定方向に流れる現象を何という? 関わる細胞骨格は?
細胞質流動(原形質流動)。アクチンフィラメントが関わる
オオカナダモの葉で観察できる。
細胞骨格の働きを、ATP との関係で 1 行にまとめると?
レール(細胞骨格)の上をモータータンパク質が ATP を使って動く
運ぶ荷物が小胞なら物質輸送、相手が繊維なら滑り込みによる収縮になる。