データの尺度と形式
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
数字で書いてあっても、足したり平均したりしてよいとは限りません。背番号を平均しても意味はありません。
データがどの尺度にあたるかで、してよい計算が決まります。
| 分類 | 尺度 | 何に意味があるか | 例 | できる計算(上の行に加えて) |
|---|---|---|---|---|
| 質的データ | 名義尺度 | 区別だけ | 血液型・郵便番号・背番号 | 度数・最頻値 |
| 質的データ | 順序尺度 | 区別と順序 | 順位・5 段階の満足度・成績の評定 | 大小の比較・中央値 |
| 量的データ | 間隔尺度 | 順序と差(間隔) | 摂氏の気温・西暦年 | 差・平均値 |
| 量的データ | 比例尺度 | 差と比(0 が「無い」を表す) | 身長・重さ・金額・かかった時間 | 比(何倍か) |
分かれ目は次の 3 つ。
- 数字でも質的データのことがある(郵便番号・背番号は名義尺度)。
- 間隔尺度と比例尺度の分かれ目は「0 が無いことを表すか」。 0 ℃ は「温度が無い」ではないので、20 ℃ は 10 ℃ の 2 倍の暑さとは言えない。
- 表の下の尺度ほどできる計算が多い。 上の行の尺度でできる計算は、下の行の尺度でも全部できる。
1. 質的データと量的データ
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(ウ)
データは、分類や区別を表す質的データと、数量として大小や差を計算できる量的データに分けられます。
さらに、質的データは名義尺度と順序尺度に、量的データは間隔尺度と比例尺度に分かれます。
質的データと量的データの違いは?
質的データは分類・区別を表すデータ、量的データは数量として大小や差を計算できるデータ
質的データは名義尺度と順序尺度、量的データは間隔尺度と比例尺度に分かれる。
名義尺度とは、どんなデータか?
ほかと区別するためだけに名前や番号を付けたデータ
血液型・性別・郵便番号・背番号。数字で表しても、大小や平均に意味はない。
順序尺度とは、どんなデータか?
順序には意味があるが、値の差(間隔)には意味がないデータ
順位・5 段階の満足度。1 位と 2 位の差と、2 位と 3 位の差が同じとは限らない。
間隔尺度とは、どんなデータか?
値の差(間隔)には意味があるが、比には意味がないデータ
摂氏の気温・西暦年。0 が「無い」ことを表さないので、何倍かは言えない。
比例尺度とは、どんなデータか?
0 が「無い」ことを表し、差にも比にも意味があるデータ
身長・重さ・金額・かかった時間。60 kg は 30 kg の 2 倍と言える。
「気温 20 ℃ は 10 ℃ の 2 倍暑い」と言えないのは、気温(摂氏)がどの尺度だからか?
間隔尺度
0 ℃ は「温度が無い」状態ではない。差(10 ℃ 高い)は言えるが、比(2 倍)は言えない。
背番号や郵便番号は数字で書かれているが、どの尺度か?
名義尺度
数字は区別のための名前にすぎない。背番号 10 の選手が背番号 5 の選手の 2 倍何かであるわけではない。
最頻値しか代表値として使えないのは、どの尺度か?
名義尺度
順序が無いので中央値も決まらない。数えて一番多いもの(度数・最頻値)までが意味を持つ。
平均値を計算して意味があるのは、どの尺度からか?
間隔尺度と比例尺度(量的データ)
差に意味があるので足し合わせて平均できる。順序尺度では中央値までが使える。
2. データの形式
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(ウ)
集めたデータをコンピュータで扱うには、決まった形式で保存します。
形式がそろっていれば、別のソフトウェアやプログラムでもそのまま読み込めます。
番号,氏名,点数
1,青木,72
2,井上,85
{ "番号": 1, "氏名": "青木", "点数": 72 }
CSV とは、どんな形式か?
表の各行を 1 行のテキストにし、項目をカンマで区切って並べた形式
表計算ソフトやプログラムで広く読み書きできる。1 行目に項目名を置くことが多い。
JSON とは、どんな形式か?
「キー」と「値」の組を波かっこで囲み、入れ子にもできるテキストの形式
{"氏名": "青木", "点数": 72} のように書く。Web のサービスどうしでデータをやりとりするのによく使われる。
構造化データと非構造化データの違いは?
構造化データは表の行と列のように項目が決まった形に整理されたデータ、非構造化データは文章・画像・音声のように決まった項目の形を持たないデータ
構造化データはそのまま集計できる。非構造化データは、分析の前に語や特徴を取り出す処理が要る。
オープンデータとは何か?
誰でも自由に入手し、二次利用(加工・再配布)できる形で公開されたデータ
国や地方公共団体が、機械で読み取りやすい形式(CSV など)で公開している統計・地図・施設の情報など。
練習問題
問 1 次のデータは、名義尺度・順序尺度・間隔尺度・比例尺度のどれか。
(1) 50 m 走のタイム (2) クラスの出席番号 (3) マラソン大会の順位 (4) 生まれた年(西暦)
(1) 比例尺度 (2) 名義尺度 (3) 順序尺度 (4) 間隔尺度
(1) 0 秒が「時間が無い」を表し、「2 倍の時間がかかった」と言える。
(2) 出席番号は区別のための番号で、大小や平均に意味はない。
(3) 順序はあるが、1 位と 2 位の差と 2 位と 3 位の差は同じではない。
(4) 年の差(何年違うか)には意味があるが、西暦の年の数え始めは「時間が無い」点ではないので比は言えない。