地球儀と地図の図法
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「地理総合」A (1) ア (ア) の「現代世界の地域構成を示した様々な地図の読図などを基に,方位や時差,日本の位置と領域,
国内や国家間の結び付きなどについて理解すること」。内容の取扱いは、地球儀と地図を活用して球面上の世界の捉え方に慣れることを求めています。
このノートは、その入口として、地球上の位置の表し方と、丸い地球を平面に描くときに生じるゆがみ(図法の性質)を扱います。
0. 何を押さえるか
地球は球なので、面積・距離・方位・形(角度)のすべてを同時に正しく表せるのは地球儀だけです。
平面の地図はどれかを正しくする代わりに、ほかをゆがめます。どの図法が何を正しく表すかを押さえ、目的に合った地図を選べるようにします。
| 図法 | 正しく表すもの | ゆがむもの | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| メルカトル図法 | 角度(正角図法)。等角航路が直線になる | 高緯度ほど面積が大きく描かれる | 航海図 |
| 正距方位図法 | 図の中心からの距離と方位 | 中心以外の 2 地点間の距離・方位、外側ほど形 | 航空図、中心からの位置関係 |
| 正積図法(サンソン図法・モルワイデ図法・グード図法など) | 面積 | 周辺部ほど形 | 分布図 |
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- メルカトル図法で 2 地点を結んだ直線は最短経路ではない。直線になるのは等角航路で、最短経路(大圏航路)は高緯度側へふくらんだ曲線になる
- 正距方位図法で距離と方位が正しいのは図の中心からだけ。中心以外の 2 地点を結んだ線は、正しい距離も方位も示さない
- 分布を比べる地図には正積図法を使う。メルカトル図法で面積を比べると、高緯度の地域が実際より大きく見える
1. 球面上の位置 — 緯度と経度
根拠: 学習指導要領 地理総合-A-(1)-ア-(ア)
地球上の位置は、南北の位置を表す緯度と、東西の位置を表す経度の組で表します。
同じ緯度の地点を結んだ線が緯線、同じ経度の地点を結んだ線が経線(子午線)です。
緯度 0 度の基準となる線は何か。また、緯度は南北それぞれ何度まであるか?
赤道が 0 度で、南北それぞれ 90 度まで(北緯・南緯)
北緯 90 度が北極点、南緯 90 度が南極点。緯線はすべて赤道と平行な円になる。
経度 0 度の基準となる経線を何といい、どこを通るか?
本初子午線で、イギリスの旧グリニッジ天文台を通る
経度はここから東西それぞれ 180 度まで(東経・西経)測る。東経 180 度と西経 180 度は同じ経線になる。
赤道の全周(地球一周)の長さは、およそ何 km か?
約 4 万 km
もともと 1 m は、北極点から赤道までの子午線の長さの 1000 万分の 1 として決められた。そのため一周がおよそ 4 万 km になる。
地球の中心をはさんで、ある地点のちょうど反対側にある地点(対蹠点)の緯度と経度は、どう求めるか?
緯度は同じ数値で南北を入れかえ、経度は 180 度から引いた数値で東西を入れかえる
たとえば北緯 36 度・東経 140 度の対蹠点は、南緯 36 度・西経 40 度(180 - 140 = 40)で、南アメリカ大陸の沖の大西洋上になる。
2. 世界の地域構成 — 大陸と海洋
根拠: 学習指導要領 地理総合-A-(1)-ア-(ア)
現代世界の地域構成をつかむ土台は、陸と海の配置です。地球の表面は、海が陸よりも広い面積を占めています。
世界の 6 つの大陸は?
ユーラシア大陸・アフリカ大陸・北アメリカ大陸・南アメリカ大陸・オーストラリア大陸・南極大陸
最も大きいのはユーラシア大陸で、日本はその東の沖に位置する。
世界の三大洋は?
太平洋・大西洋・インド洋
最も広いのは太平洋。日本は太平洋の北西の縁に位置する。
3. 図法の性質と大圏航路
根拠: 学習指導要領 地理総合-A-(1)-ア-(ア)
平面の地図はどれも、何かを正しくする代わりに何かをゆがめています。飛行機や船が進む最短経路が地図上でどう見えるかは、図法によって変わります。
地球上の 2 地点を結ぶ最短の経路を何というか。それは地球儀の上ではどんな線になるか?
大圏航路(大円航路)。2 地点と地球の中心を通る平面が地球の表面と交わる円(大円)の一部になる
地球儀の上で 2 地点に糸を張ると、この経路が確かめられる。長距離の航空路は大圏航路に近い経路をとる。
角度が正しく表され、経線に対して一定の角度で進む経路(等角航路)が直線で描かれる図法は?
メルカトル図法
羅針盤の方位を一定に保って進めばよいので、航海図に使われてきた。経線と緯線は直角に交わる平行な直線になる。
メルカトル図法で、高緯度ほど面積が実際より大きく描かれるのはなぜか?
実際には極に向かって間隔が狭まる経線を、平行な直線として描いているから
横に引き伸ばした分だけ縦にも引き伸ばして角度を保つので、高緯度の土地ほど大きくなる。グリーンランドが実際よりずっと大きく見えるのはこのため。
メルカトル図法の上で、大圏航路はどのような線になるか?
高緯度側(北半球なら北側)にふくらんだ曲線
図の上で 2 地点を結んだ直線は等角航路で、最短経路ではない。
図の中心からの距離と方位が正しく表される図法は?
正距方位図法
中心から引いた直線は大圏航路(最短経路)になる。一方、中心以外の 2 地点を結んだ線の距離や方位は正しくない。
正距方位図法で描いた世界全図の外周の円は、何を表しているか?
図の中心の対蹠点(地球の反対側の 1 点)
1 点が円周に引き伸ばされているので、外側ほど形のゆがみが大きい。中心から外周までの距離は約 2 万 km(地球一周の半分)。
面積が正しく表されるので、人口や農産物などの分布図に向いている図法の種類を何というか?
正積図法(サンソン図法・モルワイデ図法など)
面積の比が正しいので、地域どうしの広さや分布の密度を比べられる。
サンソン図法とモルワイデ図法を組み合わせ、海洋の部分で地図を断ち切って陸地の形のゆがみを小さくした正積図法は?
グード図法(ホモロサイン図法)
低緯度はサンソン図法、高緯度はモルワイデ図法で描く。海が切れているので、海洋の分布を表すのには向かない。
4. 地球儀と方位
根拠: 学習指導要領 地理総合-A-(1)-ア-(ア)
方位は、地球儀の上では北極点に向かう向きが北です。平面の地図で方位を読むときは、その図法が方位を正しく表しているかを確かめる必要があります。
面積・距離・方位・形のすべてを同時に正しく表せるのは何か?
地球儀
地球儀は縮尺が小さく全体を一度に見渡せない。平面の地図は持ち運びやすく全体を見渡せるが、どれかの性質をゆがめる。