惑星の視運動
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (4) ア (ア) ㋑「太陽系天体とその運動」。
内容の取扱いは「『惑星の運動』については、視運動及びケプラーの法則を扱うこと」を
求めている。
0. どういう論点か
惑星の視運動(地球から見た動き)は、地球と惑星の追い越しで決まります。
内惑星と外惑星で、見え方も用語も違います。
| 内惑星(水星・金星) | 外惑星(火星〜海王星) | |
|---|---|---|
| 太陽からの見かけの離れ | 限りがある(最大離角) | 制限なし(真夜中に見える) |
| 特別な位置 | 内合・外合・東方最大離角・西方最大離角 | 合・衝・東矩・西矩 |
| 満ち欠け | する | ほとんどしない |
| 逆行するとき | 内合の前後 | 衝の前後 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 内惑星は真夜中に見えない(太陽から離れられないため)
- 外惑星がもっとも見やすいのは衝(真夜中に南中する)
- 逆行は惑星が本当に戻るのではない(地球との相対運動による見かけの動き)
1. 内惑星と外惑星
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(ア)-㋑
内惑星・外惑星とは?
地球より内側を回る惑星(水星・金星)と、外側を回る惑星(火星以遠)
見え方の違いはこの区別から来る。
内惑星が真夜中に見られないのはなぜ?
太陽から見かけ上あまり離れられないから
明け方か夕方の空にしか見えない。
最大離角とは?金星の最大離角はおよそ?
内惑星が太陽から見かけ上もっとも離れる角度。金星は約 46°
水星は約 28° で、さらに見づらい。
内惑星の内合・外合とは?
内合は惑星が地球と太陽の間に来る位置、外合は太陽の反対側(太陽の向こう)に来る位置
どちらも太陽と同じ方向なので見えない。
外惑星の「衝」とは?観測に適しているのはなぜ?
地球から見て太陽と正反対の位置。真夜中に南中し、地球に最も近く明るいから
火星の観測は衝のころに行う。
外惑星の「矩」とは?
地球から見て太陽と 90° の角をなす位置(東矩・西矩)
半分欠けたように見える(わずかに)。
金星が満ち欠けするのに、火星がほとんど満ち欠けしないのはなぜ?
金星は地球より内側にあり、太陽に照らされた面の向きが大きく変わるから
外惑星は常にほぼ全面が照らされて見える。
金星が「宵の明星」「明けの明星」と呼ばれるのは、それぞれどの位置のとき?
東方最大離角の前後は夕方の西空(宵の明星)、西方最大離角の前後は明け方の東空(明けの明星)
太陽の東側にあれば日没後に見える。
2. 会合周期
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(ア)-㋑
会合周期とは?
地球から見て、惑星が同じ位置関係(合から合、衝から衝)に戻るまでの時間
追い越しの周期。
会合周期 S、惑星の公転周期 P、地球の公転周期 E の関係式は?
1/S = |1/P − 1/E|(内惑星は 1/P − 1/E、外惑星は 1/E − 1/P)
角速度の差から導かれる。
公転周期 1.88 年の火星の会合周期は?
約 2.14 年
1/S = 1/1 − 1/1.88 = 0.468 より S ≒ 2.14。
公転周期が長い外惑星ほど、会合周期は 1 年に近づく。なぜ?
惑星がほとんど動かないので、地球が 1 周すればほぼ同じ位置関係に戻るから
海王星の会合周期は約 1.006 年。
金星の会合周期は約 1.6 年。この値は何を意味する?
約 1 年 7 か月ごとに、同じ見え方(宵の明星として最も見やすい時期など)がくり返される
内惑星は自分のほうが速く回る。
3. 順行・逆行・留
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(ア)-㋑
順行と逆行とは?
天球上で惑星が西から東へ動くのが順行、東から西へ戻るように動くのが逆行
ふつうは順行している。
逆行が起こるのはなぜ?
地球と惑星の公転速度が違い、追い越すときに相対的な動きが逆向きに見えるから
惑星が実際に戻るのではない。
外惑星が逆行するのはどの位置の前後?
衝の前後
地球が内側から追い越すため。
内惑星が逆行するのはどの位置の前後?
内合の前後
内惑星のほうが地球を追い越す。
留とは?
順行と逆行が入れ替わる瞬間(見かけ上、天球上で止まって見える)
逆行の前後に 2 回ある。
惑星の逆行を、天動説はどう説明していた?
周転円(惑星が小さな円を描きながら大円上を動く)を仮定して説明していた
地動説では地球の運動で自然に説明できる。
惑星が天球上で描く逆行の軌跡は、どんな形になる?
S 字やループ(惑星の軌道面と黄道のずれによる)
順行 → 留 → 逆行 → 留 → 順行と進む。