地球の形と大きさ
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (1) ア (ア) ㋐「地球の形と重力」。
内容の取扱いは「地球楕円体や地球表面における重力に関する資料に基づいて,地球の形状と重力との
関係を見いだして理解すること」を求めている。
0. どういう論点か
地球の形は「測ってみたら球ではなかった」という順で分かってきました。
どの測定が何を示したかを追えるかが、この論点の中身です。
| 測定 | 分かること |
|---|---|
| 太陽の南中高度の差(エラトステネス) | 地球が丸いこと・全周の大きさ |
| 緯度差 1° あたりの子午線弧長 | 球ではなく極方向に平たいこと |
| 表面の重力の測定 | 内部の質量分布(→ 重力とジオイド) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 赤道半径 > 極半径(赤道方向に膨らんでいる。極方向ではない)
- 緯度差 1° あたりの子午線弧長は、高緯度のほうが長い(平たいほど曲がりがゆるい)
- 扁平率は約 1/298(1/300 ほど。「わずかに」平たい)
1. 地球が丸いこと・その大きさを測る
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(ア)-㋐
地球の大きさは、同じ瞬間の太陽の高度が場所によって違うことから求められます。
高度の差は中心から見た角度の差に等しく、角度と弧の長さが分かれば全周が出ます。
エラトステネスは、どの 2 地点の何を比べて地球の大きさを求めた?
アレクサンドリアとシエネ(現アスワン)で、夏至の日の太陽の南中高度
シエネで太陽が真上に来た日に、アレクサンドリアでは天頂から 7.2° ずれていた。
7.2° のずれから全周を出す計算は?
7.2° は 360° の 1/50 なので、2 地点間の距離(約 5000 スタジア)を 50 倍する
角度の比と弧の長さの比が等しいことを使う。
地球の全周と平均半径は、およそどれくらい?
全周 約 4 万 km、半径 約 6400 km
赤道全周も約 4 万 km。
「1 メートル」は、もともと地球の何をもとに決められた?
北極から赤道までの子午線の長さの 1000 万分の 1
だから子午線 1 周が約 4 万 km になる。
2. 球ではなく回転楕円体であること
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(ア)-㋐
地球が完全な球なら、緯度差 1° に対応する子午線の長さ(子午線弧長)はどこでも同じに
なります。実測すると同じにならなかったことが、球ではないことの証拠になりました。
地球が完全な球なら、緯度差 1° あたりの子午線弧長はどうなるはず?
どの緯度でも等しい
角度が同じなら弧の長さも同じ、が球の性質。
実際には、緯度差 1° あたりの子午線弧長は高緯度と低緯度でどちらが長い?
高緯度のほうが長い
18 世紀のフランスの測量(ラップランドとペルー)で確かめられた。
高緯度で子午線弧長が長いことは、地球の形について何を示す?
極のほうが平ら(曲率半径が大きい)=極方向に押しつぶされた形
同じ 1° で長い距離を進む=曲がり方がゆるい。
地球のおおよその形を表す、数学的に定めた回転楕円体を何という?
地球楕円体
緯度・経度や地図の基準(測地系)として使われる。
回転楕円体とは、どんな立体?
楕円をその短軸(地球では地軸)のまわりに回転させてできる立体
赤道断面は円、子午線断面は楕円になる。
3. 扁平率と赤道・極の半径
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(ア)-㋐
地球の赤道半径と極半径は、それぞれおよそ何 km?
赤道半径 約 6378 km、極半径 約 6357 km
差は約 21 km で、赤道半径のほうが大きい。
扁平率(偏平率)の定義を式で書くと?
(赤道半径 − 極半径)÷ 赤道半径
赤道半径を a、極半径を b として (a − b)/a。
地球の扁平率はおよそいくつ?
約 1/298(およそ 0.0034)
1/300 ほどで、直径 30 cm の球なら差は 1 mm 程度。「ほぼ球」と言える量。
半径 3 cm の球で地球を表すと、赤道半径と極半径の差はどれくらいになる?
0.1 mm ほど
扁平率 1/300 は、目で見て分かる形のゆがみではない。
4. なぜ赤道方向に膨らむのか
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(ア)-㋐
形が球からずれる原因は自転です。地球の形状と重力が結びつくのはここで、
自転による遠心力が赤道で最大になるため、赤道方向に膨らみます。
自転による遠心力が最も大きいのはどこ?最も小さいのは?
最大は赤道、最小(ゼロ)は極
遠心力は自転軸からの距離に比例する。
遠心力の向きは、地球のどこでも重力と逆向き?
逆向きとは限らない
遠心力は自転軸から外向きなので、赤道以外では地球の中心方向とずれる。
地球が赤道方向に膨らんでいる原因は?
自転による遠心力
自転する流体的な天体は、赤道方向に膨らんだ回転楕円体でつり合う。
自転が速い惑星ほど扁平率はどうなる?
大きくなる
木星(自転周期約 10 時間)の扁平率は約 1/15 で、地球よりはるかに平たい。
ニュートンは地球の形をどう予想し、どうやって決着した?
自転する回転楕円体(極方向に平たい)と予想し、子午線弧長の実測で確かめられた
高緯度での測量が、平たいほうが正しいことを示した。