変成岩と変成作用
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学基礎」の内容 (1) ア (イ) ㋐「プレートの運動」。
プレートが沈み込むところでは岩石が高い圧力と温度にさらされるので、変成作用はプレートの
運動の結果として扱われる。
0. どういう論点か
変成岩は「溶けてからもう一度固まった岩石」ではありません。
固体のまま、熱や圧力によって中の鉱物が別の鉱物に組み替わったものです。
ここを溶けたと思い込むと、火成岩との区別がつかなくなります。
| 何が変えたか | どこで起きるか | できる岩石 | |
|---|---|---|---|
| 接触変成作用 | 主に熱 | マグマだまりの周り(狭い) | ホルンフェルス・結晶質石灰岩 |
| 広域変成作用 | 熱と圧力 | 沈み込み帯・造山帯(広い) | 結晶片岩・片麻岩 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 変成岩は溶けていない(溶けて固まれば火成岩)
- 接触変成岩には縞模様ができない(圧力に向きが無いため)
- もとの岩石が何だったかで、できる変成岩が決まる(石灰岩からは大理石)
1. 変成作用とは何か
根拠: 学習指導要領 地基-(1)-ア-(イ)-㋐
岩石が固体のまま、鉱物の組み合わせや組織が変わることを何という?
変成作用
溶かさずに、熱と圧力で中身が組み替わる。
変成作用でできた岩石を何という?
変成岩
火成岩・堆積岩と並ぶ、岩石の 3 分類の 1 つ。
変成岩と火成岩は、何が決定的に違う?
変成岩は溶けていない(固体のまま変わった)、火成岩はマグマが冷え固まったもの
「溶けたかどうか」が分かれ目。
変成作用を起こす 2 つの要因は?
熱(温度)と圧力
どちらが主に効いたかで、接触変成作用と広域変成作用に分かれる。
もとの岩石のことを何という?
原岩(げんがん)
同じ変成作用でも、原岩が違えばできる変成岩は違う。
2. 接触変成作用
根拠: 学習指導要領 地基-(1)-ア-(イ)-㋐
マグマが上がってくると、触れている岩石が焼かれます。効くのはほとんど熱だけなので、
押しつぶす向きが無く、縞模様はできません。ここが広域変成岩との見分けになります。
マグマの熱で、周りの岩石が変わる作用を何という?
接触変成作用
マグマだまりの周囲の、比較的狭い範囲で起きる。
泥岩や砂岩が接触変成作用を受けると、何になる?
ホルンフェルス
緻密でかたく、割れ口が角ばる。
石灰岩が接触変成作用を受けると、何になる?
結晶質石灰岩(大理石)
方解石の結晶が粗くなり、粒が見えるようになる。
接触変成岩に縞模様ができないのはなぜ?
効いているのがほぼ熱だけで、押す向きが無いから
向きのある圧力を受けないと、鉱物は並ばない。
3. 広域変成作用
根拠: 学習指導要領 地基-(1)-ア-(イ)-㋐
沈み込み帯では、岩石が地下深くまで引きずり込まれ、広い範囲がまとめて熱と圧力を受けます。
このときの温度と圧力の組み合わせが 2 通りあり、日本列島にはその両方が帯状に残っています。
造山帯や沈み込み帯で、広い範囲の岩石が熱と圧力を受けて変わる作用を何という?
広域変成作用
帯状に分布するので、変成帯をつくる。
広域変成作用でできる、板状にはがれやすい岩石を何という?
結晶片岩
鉱物が一定方向に並び、片理という構造をもつ。
より高温の広域変成作用でできる、白と黒の縞模様をもつ岩石は?
片麻岩
粗い粒で、縞状構造(片麻状組織)が見える。
結晶片岩に片理ができるのはなぜ?
向きのある圧力を受けて、鉱物が圧力に直交する方向に並ぶから
だから板状に割れやすい。
低温・高圧で変成を受けた岩石ができるのは、どんな場所?
海溝からプレートが沈み込む側(冷たい板が深部へ引き込まれるところ)
温度が上がりきらないまま圧力だけが高くなる。
高温・低圧で変成を受けた岩石ができるのは、どんな場所?
火山や深成岩体のある、島弧の内側(熱が上がってくるところ)
沈み込み帯では、この 2 つの帯が対になって並ぶ。
日本列島に、性質の違う変成帯が平行に並んでいることは何を示す?
かつてここが沈み込み帯であり、いまも同じ仕組みが続いていること
対になった変成帯は、沈み込みの記録として読める。