窒素とリン
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学」の内容 (3) ア (ア) ㋐「典型元素」。
告示は「典型元素の性質が周期表に基づいて整理できることを理解すること」を求めている。
15 族の同族元素として、窒素・リンの単体と化合物を扱う。
0. どういう論点か
15 族の価電子は 5 個。主役はアンモニアと硝酸で、
アンモニアから硝酸を作るオストワルト法が最頻出です。
| 気体 | 色 | 水への溶けやすさ | 捕集法 |
|---|---|---|---|
| N₂ | 無色 | 溶けにくい | 水上置換 |
| NH₃ | 無色(刺激臭) | 非常によく溶ける・塩基性 | 上方置換 |
| NO | 無色 | 溶けにくい | 水上置換 |
| NO₂ | 赤褐色 | 溶ける | 下方置換 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 一酸化窒素は無色・水に溶けにくい、二酸化窒素は赤褐色・水に溶ける
- アンモニアは唯一の塩基性気体(乾燥にソーダ石灰を使う。濃硫酸は不可)
- 濃硝酸はアルミニウム・鉄・ニッケルを溶かさない(不動態)
1. 窒素とアンモニア
根拠: 学習指導要領 化学-(3)-ア-(ア)-㋐
窒素が常温で反応しにくいのはなぜ?
三重結合 N≡N が非常に強く、切れにくいから
結合エネルギーが大きい。
アンモニアを実験室で作るには?
塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを混ぜて加熱する
弱塩基の塩に強塩基を加えて、弱塩基を追い出している。
アンモニアの捕集法は?
上方置換
水に非常によく溶け、空気より軽いため。
アンモニアの乾燥剤に濃硫酸や塩化カルシウムを使えないのはなぜ?
どちらもアンモニアと反応してしまうから
ソーダ石灰を使う。
アンモニアの工業的製法は?
ハーバー・ボッシュ法
窒素と水素から、鉄触媒を使って高温・高圧で合成する。
アンモニアの噴水実験が成り立つのはなぜ?
水に非常によく溶けて、フラスコ内の圧力が急に下がるから
フェノールフタレインを入れておくと赤くなる(塩基性)。
2. 窒素の酸化物と硝酸
根拠: 学習指導要領 化学-(3)-ア-(ア)-㋐
銅に希硝酸を加えると発生する気体は?
一酸化窒素 NO
無色で水に溶けにくく、水上置換で集める。
銅に濃硝酸を加えると発生する気体は?
二酸化窒素 NO₂
赤褐色で水に溶け、空気より重いので下方置換で集める。
一酸化窒素を空気中に出すとどうなる?
すぐ酸化されて赤褐色の二酸化窒素になる
無色の気体が赤褐色に変わるのが目印。
オストワルト法の 3 段階は?
① アンモニアを白金触媒で酸化して NO → ② 空気で酸化して NO₂ → ③ 温水に吸収させて硝酸
原料のアンモニアはハーバー・ボッシュ法で作る。
硝酸を褐色びんに入れて保存するのはなぜ?
光で分解してしまうから
分解すると二酸化窒素が生じて黄色くなる。
アルミニウム・鉄・ニッケルが濃硝酸に溶けないのはなぜ?
表面に緻密な酸化被膜ができて、内部が保護されるから(不動態)
濃硫酸でも同じことが起こる。
金や白金を溶かすには何を使う?
王水(濃塩酸と濃硝酸を体積比 3 : 1 で混ぜたもの)
硝酸単独では溶けない。
3. リンとその化合物
根拠: 学習指導要領 化学-(3)-ア-(ア)-㋐
リンの同素体を 2 つ挙げると?
黄リン(白リン)と赤リン
黄リンは有毒で自然発火するため水中に保存する。赤リンは比較的安定。
黄リンを水中に保存するのはなぜ?
空気中で自然発火するから
約 35 ℃ で発火する。
リンを燃やすとできる白色の粉末は?
十酸化四リン P₄O₁₀
強い吸湿性があり、乾燥剤に使われる。
十酸化四リンに水を加えて加熱すると何ができる?
リン酸 H₃PO₄
中程度の強さの酸で、肥料の原料になる。